□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月7日発行 第164号 ■ ================================================================== 沖縄を侮辱したメア米国務省日本部長の発言とそれを報じないメディア ================================================================== 何と言っても今日の報道で私が一番重視したのはこれである。 共同通信がスクープして配信し、それを3月7日の毎日新聞だけが 小さく報道していた。 この前まで駐沖縄の米国総領事をしていたメア米国務省日本部長が 昨年末、米国の大学生らを前に次のように語っていたというのだ。 「日本人は合意重視の和の文化をゆすり手段に使う。合意を追い求め る振りをしながら、できるだけ多くの金を得ようとする」 「沖縄はごまかしとゆすりの名人」 「ゴーヤも他県の栽培量のほうが多い。沖縄の人は怠惰で栽培できない からだ」 「普天間飛行場は(住宅地に近い)福岡空港や伊丹空港と同じで特別に 危険でない」 「(日本政府は仲井真沖縄知事に対し)金が欲しいならサインしろと 言うべきだ」 これらの発言は、首都ワシントンのアメリカン大学の学生14人に対し、 彼らが東京と沖縄へ研修旅行に出発する直前の昨年12月3日、行われた という。 講義を聞いた学生たちは、 「メア氏は間違いなくこのように語った」 「米政府の地位ある人物の偏見に満ちた言葉にとても驚いた」 「人種差別的発言だと感じた」 などと話しているという。 学生が話すまでもなく、紛れもない沖縄差別発言だ。 いや、日本という国を軽視する発言だ。 なによりも、ついこの前まで沖縄の総領事をつとめ、辺野古移転を 積極的に推進してきた人物が、このような考えを持っていたこと、 そしてその人物が米国務省の日本部長におさまっているという事実こそ、 我々は注目すべきだ。 しかしこの問題のより深刻なところは、この共同通信の大スクープを 大手新聞のどこも取り上げないという事実だ。 考えてみるがいい。もしこの発言を大手新聞が大きく取り上げ、テレビ で政治評論家たちがおもしろおかしく取り上げたなら、国民の反米感情は いや増すだろう。米国よ、ふざけるな、となるだろう。 なによりも沖縄県民は更なる不信感を抱くだろう。 そうさせてはならない。日本国民を反米にしてはならない。 そう考えて大手メディアのデスクがスルーしているのである。 日米関係に都合の悪い情報は報道を控える。 情報操作のまぎれもない証拠である。 了

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