□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月3日発行 第153号 ■ ================================================================== 大手新聞は都合の悪い真実は伝えない。それが明らかになった。 ================================================================== 私は昨日(3月2日)のメルマガ第150号「取り調べの可視化は やはり必要だ」の中で、東京地裁で3月1日に行なわれた小沢一郎元 秘書の公判模様について書いた。 その模様は、毎日新聞だけが詳しく報じていたので、その毎日新聞の 記事を引用して、前田前大阪地検特捜部検事の発言を紹介し、こんな 調べ方をしているようではまともな調書など書けるはずはない、やはり 取り調べの可視化は必要だ、と書いた。 ところが3月3日の日刊ゲンダイを読んでさらに驚いた。 今度は前田前検事の言動に驚いたのではない。 公判模様を包み隠さずに報じなかった大手メディアの情報操作に 驚いたのだ。 日刊ゲンダイが報じる3月1日の東京地検の公判模様は、毎日新聞など が書いているものよりもはるかに衝撃的だ。 すなわち大久保被告は「衝撃的過ぎて怖くなった」と2010年1月 下旬の取調べの模様を次のように法廷で暴露したという。 普段なら午前10時には取調室に呼ばれるのだがその日はなかなか 声が掛からない。1時間ほど待って、ようやく呼び出されて取調室に 入ると、顔は真っ赤で目まで赤い前田検事が待っていたという。 「大阪から一緒に応援に来た後輩と朝5時まで飲んじゃって・・・」 と酒の臭いをぷんぷんさせながら、大久保に「アナタの子供も犯罪者の 息子と呼ばれ、結婚もできないかも知れない」と詰め寄ったという。 大久保被告が前田前検事の奇行との思える言動を手振り身振りで再現 すると法廷が笑いに包まれたという。 検察側は前田検事の取調べぶりが法廷に持ち出される事を極端に恐れ、 前田検事の取調べの任意性は争点じゃない、などと異議を申し立てたが 裁判長に却下されたという。 要するに法廷で暴露された前田元検事の酔っ払い事件や取り調べ中の 奇行の数々は、それだけで小沢事件の一連の取調べに疑義を抱かせるに 十分なものであるのだ。 だから大手新聞は3月1日の東京地裁の公判模様を書かないのだ。 わずか毎日と朝日が書いていたが、それも、この日刊ゲンダイが書い ているような、小沢側に有利になるような事は書かない。 たとえそれが誰もが傍聴できる公開情報であっても、書かないのだ。 ただでさえ小沢叩きをしてきたメディアは今追い込まれている。 その上にこれ以上自分たちにとって不利になること、都合の悪いこと は、書かない、書けない、ということだ。 メディアはもはやメディアに値しない存在になり下がってしまった。 了

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