□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月3日発行 第152号 ■ ================================================================== ジョージ・クルーニーと坂本龍一をつなぐもの ================================================================== ニューズウィーク日本語版3月2日号は、「セレブ外交官、ジョージ・ クルーニー」と題する特集記事を掲載していた。 破綻国家スーダンを救うために立ち上がったジョージ・クルーニーに ついてこう書き始めている。 「アメリカのアカデミー賞に向けてハリウッドが熱く燃えていた今年 1月、レッドカーペットの常連で人気俳優のジョージ・クルーニーは 地球の裏側にいた。賞レースよりずっと壮大な人間ドラマに心奪われて いたからだ・・・」 その特集記事は、自らの名声を使って、名声よりもずっと大切なものに 人々の関心を向けさせようとするジョージ・クルーニーの活躍をあます ことなく伝えている。 格好良すぎる。 ハンサムなその風貌だけではない。その生き方が格好いいのだ。 そして私は日本の有名人の中にも格好いい男を見つけた。 発売中の週刊朝日3月11日号に、ミュージシャンの「世界のサカモト」 こと坂本龍一が、山口県上関の中国電力原発建設について、反対運動の 先頭に立っている姿を書いている。 埋め立て工事に反対する祝島の住民たちを支援する若者らが、真夜中 に埋め立てを強行しようとする中国電力の暴挙をツイッターで報告 しながら動画を配信した。 「世界に訴えてほしい」という若者の呼びかけに即時対応した坂本龍一 は、14万人強のフォロワーが集まる自らのツイッターでこうつぶやいた。 「夜中に誰も見ていないと思って。これは拡散させたほうがいいね」 この呼びかけもあって、動画中継を見た人々が全国から現場に続々と 支援に訪れているという。 著名人がその知名度を生かして政治家になる例は山ほどある。 しかし政治家としてまともな活動をしたのは中村敦夫ぐらいしか名前は 浮かばない。 総理にしたい政治家の顔ぶれとか、東京都知事選挙に立候補する顔ぶれ とか、あるいは政界再編の要になると擬せられる顔ぶれを見て、ただの 一人として心ときめく者はいないと感じるのは、私だけだろうか。 坂本龍一が新党を立ち上げて日本の若者を引っ張っていく。 そういう光景を見てみたい。 それぐらいの動きがないともはや日本の政治に関心は持てない。 了

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