□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月2日発行 第149号 ■ ================================================================== 政局報道にかこつけて小沢叩きを続けるメディアの姑息さ ================================================================== 繰り返して書くが私は小沢一郎信奉者ではない。 それどころか、もはやポスト菅の政局の動きを見ていると、小沢一郎が 組む相手次第では、たとえ小沢一郎が政権をとったとしても、私が期待 する政治が行なわれるかどうか怪しくなってきたという思いさえ抱く。 しかし今の菅民主党政権は危うすぎる。 この期に及んでも居直り続ける菅首相の政権固執には辟易する。 何にもまして、中立な政局報道をよそおって小沢叩きを続けるメディア の姑息さは目に余る。 だから一言書いておきたい。 政治報道は、もはや小沢問題などではなく、その後の日本の政治状況を 書くべきだ。 どうなるのか。そしてどういう政治になれば国民にとっていいのか、 それを書くべきだ。 小沢問題はとっくに終わっている。 すなわち1月31日の強制起訴によって小沢一郎は被告人となった。 後は司法が適正に行なわれ、その判断を見守るしかない。 すなわち2月22日の資格停止処分の正式決定によって、菅民主党は 小沢一郎を追放した。 小沢一郎が政治家として活動を続けたいと思う限り、菅民主党の下では 居場所がないのだ。 従って資格停止処分以降のあらゆる民主党内の動きは、菅民主党執行部 と、追放された小沢一郎やその支持議員との間の、引き返すことのでき ない戦いとなったのである。 発売中の週刊朝日3月11日号に「菅首相の居座りが日本を滅ぼす」と いう記事があり、その中でこういうくだりがある。官邸関係者が明かした エピソードだという。 「・・菅さんは赤坂の和食店で原口一博前総務相と会食したのですが、 原口氏が『仲間の小沢さんをなぜ切るのか』と翻意を促すと、菅さんは 『小沢さんのような政治家は後世に残せない。私のときで終わりにしたい』 と言い切ったそうです。 原口さんが『小沢さんも若くはないのだから配慮しても』と食い下がって も、菅さんは『そこは譲れない』と突き放しました・・・」 この発言が事実だとしたら、そしてそれを小沢氏や小沢氏を支持する 政治家たちが聞いたとすれば、どうだろう。 何事も泣き寝入りしてあきらめるという神様のような人でないかぎり、 誰でも戦う気持ちになるだろう。 ましてや政治家は権力をとってはじめて政治ができると考える人たちだ。 今の政局はそういう事なのである。 そしてその政局を仕掛けたのは、国家権力を握ったとたんここまで強く 小沢氏を排除しようとした菅首相のほうなのである。 そんな政局のなかで起きた民主党参院議員16人の会派結成である。 そんな政局の中で起きた予算採択における本会議欠席なのである。 すべては小沢、反小沢の全面戦争の戦局の一局面なのだ。 それをメディアは、国民のための政治をやっているのか、などと16人 を批判する。 税金泥棒だなどと16人を貶める。 しかし、今の政治状況の中で、国民のための政治をやろうとしている 政治家、政党があるというのか。 税金泥棒でない政治家がいるというのか。 すべては、来るべき政界再編の政局の中でどう立ち回るかを考える政党、 政治家ばかりではないか。 そんな事はメディアは百も承知のはずだ。 16人の泡沫議員を批判する振りをして小沢派叩きをするよりも、我々 は反小沢だ、とはっきり言えばいい。 これだけ偏った報道を繰り返して来たのだ。いまさら政治的中立などという 建前を装う必要は無い。 政治報道をするふりをして小沢叩きを続けるメディアはあまりにも姑息 である。 了

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