□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年2月28日発行 第145号 ■ ================================================================== 三井、仙波、生田、裏金三人衆のそろい踏みに参加して思ったことーその4 ================================================================== 今度のシンポジウム参加で得たものはいくつかあったが、その一つが 竹原信一前阿久根市長と面識を得たことだ。 いつかのブログで書いた事だが、私の阿久根前市長に対する評価は、 もちろんそれはすべてメディアを通しての印象論に基づくものである のだが、やろうとしている事には共鳴できるがやり方が良くない、 というものだった。 そしてその評価は、わずかばかりの言葉を交わしただけでは、大きく 変わりようはなかった。 しかし別れ際に渡された一冊の著書を読んで竹原氏を見直した。 その本とは、彼の書いた「独裁者―ブログ市長の革命」(扶桑社) という本である。 2010年2月の初版となっているから、彼が市長として市議会や 自治労と過激に戦っている得意絶頂の時に出した本であると思われる。 それを帰途の新幹線の中で一気に読了した。 戦いの最中に出した本とあって意気込みが行間から横溢している。 言葉遣いも激しい。 しかし言っている事はいずれも市民の共感を呼びそうなものばかりだ。 それだけではない。中央と地方の行政の実態と欺瞞を見事に言い当てて いる。 彼は真剣に地方自治を考えている。 いわく地方議員は高給で楽な「就職先」 いわく政務調査費と言う名の無駄遣い・詐欺 いわく恵まれすぎる市職員の待遇 いわく夫婦そろって地方公務員の豪華生活 いわく最強の抵抗組織である自治労の罪 いわく脱ドブ板選挙とインターネット選挙の解禁 いわく小泉地方改革のごまかし いわく今のままで地方分権を進める事の危うさ いわく同床異夢の道州制 いわく地方住民にも求められる覚悟 いわく真実を報道しないメディアは敵だ などなど 地方政治の現状はあまりにも閉塞しており、それを改める事は至難の 業に違いない。 多勢に無勢に違いない。 それを変えるのは革命だ。 革命を起こすには通常の手段ではできない。 やたらに過激発言を繰り返して敵を挑発する事も、あるいは自らを 独裁者と呼んで偽悪者ぶりを繰り返すのも、すべては目的を達成する ための手段に違いない。 住民至上主義が本物であればすべては許される。 どうやら私は竹原前市長の考え影響されてしまったようだ。 東京マラソンで市民ランナーが日本人トップの三位に入ったことは 確かに快挙だ。 しかし竹原氏だったらこう言うだろう。 地方公務員だからできるのだ。あれが民間企業の勤労者だったら夜中 まで働かされているから走る元気は無い、練習時間は無い、と。 そこまで竹原氏の著書に賛同する私であるが、それでもなお竹原氏を 手放しで評価できない何かがある。 そして私は今一つの結論を得た。 それは竹原氏の主張する事を、竹原氏でない誰かが実現すればよい、 ということだ。 それなら阿久根市民の全員が賛同するに違いない。 了

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