□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年2月28日発行 第144号 ■ ================================================================== 中学生の作る新聞より見劣りする大手新聞の沖縄報道 ================================================================== 大手新聞の記者たちは、2月28日の毎日新聞「メディア時評」に書か れている新城俊昭氏(沖縄歴史教育研究会代表)の記事を読むべきだ。 読む時間がないのなら私がここに要約して紹介しよう。 新城氏はまず長野県北安曇郡の松川中学3年C組が最近発行した 「沖縄新聞」がいま沖縄県内で話題になっている事を教えてくれる。 同校は09年度に教育現場で新聞を活用するNIE(Newspaper In Education)の指定校となっている学校だという。 その松川中学の3年C組では、全国紙、信濃毎日紙、沖縄の地方紙など を読み比べるうちに、沖縄の新聞が基地問題に多くの紙面を割いている ことを知って沖縄に関心を持ったという。 そして沖縄の中学生と長野の中学生に沖縄の基地問題についてアンケート を実施して分析し、その結果を「沖縄新聞」で次のように報じている という。 沖縄の中学生は「他県の中学生は沖縄の基地問題には関心はない」と 思っており、長野の中学生も基地問題について知らないとの回答が大半 を占めた。 沖縄県民の声として「どうして今ごろ移転の計画を立てているのかを 考えてほしい」と紹介し、沖縄返還(72年)から今日まで「基地問題 について日本は何もしなかったからではないか」と解説する。 そして「国民の一人一人が関心を持たない限り、沖縄普天間基地問題が まったく解決しないのは明らか」と書く。 なぜ沖縄が辺野古への移設計画に反対しているのかを紹介し、基地被害 の実態についても「近隣の学校では、騒音で授業が中断になることも度々 あります」と具体例を挙げて伝える。 「基地返還で沖縄は変わる!」の見出しで、復帰時に15%あった 基地関連収入が、現在は5%まで下がっていることをあげ、基地返還で 依存はなくなることを報告する。 新聞で言えば社説に当たる「級説」では、在沖縄米軍が日米安保条約の 適用外の中東へ派兵されていることを挙げ、「ガラ空きになった基地に 抑止力はない」と指摘する。 この中学生新聞である「沖縄新聞」について、12月10日付の沖縄 タイムスは「そんな本質論を中学生に先取りされる日本のジャーナリズム は大丈夫だろうか」と書いた。 以上が、新城氏が2月28日の毎日新聞「メディア時評」で書いている ことの要約である。 これで十分だろう。大手新聞の記者達は自らを恥じるべきである。そして ジャーナリズム魂を取り戻し、中学生に負けないような沖縄関係の記事を これからは真面目に書くべきである。 了

新しいコメントを追加