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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

三井、仙波、生田、裏金三人衆のそろい踏みに参加して思ったことーその2  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年2月27日発行 第141号 ■    ==================================================================  三井、仙波、生田、裏金三人衆のそろい踏みに参加して思ったことーその2                    ==================================================================    今度のシンポジウムでは私の予期しないことが起きた。  それは裏金三人衆の一人である仙波氏が竹原信一前鹿児島県阿久根 市長をつれて来たことだ。  その竹原前阿久根市長と聴衆の一人が喧嘩まがいの論争を始めるという ハプニングが起きた。  このハプニングが突きつけた問題はそれなりに深刻な問題である。  すなわち正義や平和を語る時、我々はイデオロギーを超越できるか、 これである。   ことの次第は要約すればこうだ。  三人の講演が一通り終わったあと、聴衆からの質疑応答が始まった。  その時に、聴衆の一人から国旗・国家の問題で勤務評定を不当に低く された教師を擁護して闘っているという人が発言した。  こんな不正義もまた裏金追及に関する不正義と共通するものがあるの ではないかと。  教員の不当差別をどう思うか、と。  これを聞いた竹原氏が聴衆席からやおら立ち上がってすかさず反論 した。  甘ったれるな、と。  勤務評定は民間企業では当たり前だ、勤務評定を低くされるのはそれ なりの理由があるのであり、それに不満を持つ日教組は間違いだ、国民 一般の意識とは離れている、と。  竹原氏がどのような表現を使ったかは正確には思い出せないのだが、 要するに言いたいことはそういうことだ。  反組合、反自治労、の立場に立って市職員と闘ってきた竹原氏なら では言葉である。  そしてそれに対し、反竹原的な聴取の一人からの激しい反論が 浴びせかけられた。  私は今回のシンポジウムの趣旨から逸脱する国旗・国歌問題を持ち 出した聴衆と、それに対して反組合的立場からすかさず反論した竹原 氏の双方に自制を求めが、このハプニングはとりあえずおさまったが、 「正義を語る時にイデオロギーを超克できるか」、という問題を はからずも表面化させてくれた。  そしてこのことは憲法9条や平和を語る時に必ず行き当たる深刻な 問題でもある。  不正義の追及といい平和の追及といい、それは基本的にはイデオロギ ーとは無縁な、つまり右翼的な立場からも左翼的な立場からも等しく 提起され、追求さるべき普遍的問題であるはずだ。  しかしそれらは同時に国家権力に虐げられた弱者の抵抗と言う意味で、 ややもするとと左翼イデオロギーや労働組合と結びつきやすい。  不正義(裏金追及)や平和の集会には、その場を使ってそれ以外の弱者 救済のテーマを訴えようとする人物が現れるのが常である。  私はその事を排除するつもりはないが焦点が拡散する。  それどころか今回のようにイデオロギーの立場が異なる者の間で 対立が出てくる。  反権力と平和を訴える私が呼ばれる集会のジレンマがここにある。  私はイデオロギーを超えた立場から反権力と平和を訴えるので、 今回の竹原氏の反労働組合発言と、これに激しく反発した聴衆の間の いずれにも与するものではない。  いずれの立場にも一理があることを認めるものであるが、裏金問題と いう国家権力の犯罪を追及するという今回のシンポジウムを成功させる ためには、いずれも的外れな発言であり、司会者の適切な采配を求めた。  幸いにしてこのハプニングはすぐにおさまったが、繰り返して言う ように、イデオロギーを超越して正義、平和で一致できるか、は大きな 問題であると私は認識している。  竹原信一前阿久根市長と彼に心酔してしまった仙波氏に対する私の 評価については別の機会に書きたいと思っている。                            了                                

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