□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年2月25日発行 第137号 ■ ================================================================== 中東政変から日本が受ける影響 ================================================================== 日本は輸入原油の9割を中東から輸入しているという。 だから今回の中東の政変による混乱から受ける経済的影響は大きい。 新聞はそればかりを書いている。 しかし、もう一つ、まさしく日本だけが直接の影響を受ける事がある。 それを見事に言い当てたのが2月25日の東京新聞「ニュースの追跡」 である。 こういう記事を私は高く評価する。 なぜ米国が中東政変に特別の懸念を抱くのか。 それはイスラエルの安全保障を危うくする政権が次々と中東に生まれ ないか危惧するからである。 米国は湾岸戦争以来、中東の要所に軍事基地を次々と設置してきた。 中東全域に睨みを利かし、イスラエルに脅威を与える国を押さえつける 為だ。 中東の重要な米軍基地の一つがバハレーンにある。 米海軍の公式ホームページによれば95年に現在の第五艦隊が編成された という。 イスラエルの最大の脅威であるイランを睨む基地だ。 バハレーンの成り行き次第ではその基地を撤去せざるを得なくなる。 そうなればどうなるのか。 ここがこのメルマガの書きたい事である。 そうなれば神奈川横須賀市の米海軍基地を拠点とする米第7艦隊や沖縄 の在日米軍などの活動が増えるというのだ。 この影響は日本にとって決定的に大きい。 原油高騰のような経済に与える目に見える悪影響ではない。 しかし、危険な米国の対イラク戦争に巻き込まれるという意味で 深刻な大問題なのだ。 なによりも日米同盟の正体が明らかになる。 日米同盟は日本の抑止力などではなく、文字通り米国の戦争を助ける日本の 米軍基地化のための同盟であることが露呈する。 この事を教えてくれたのが東京新聞「ニュースの追跡」である。 それを書かない他の大手新聞はメディアの使命を果たしていないことも また明らかになったということだ。 了

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