□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年2月22日発行 第129号 ■ ================================================================== 税金泥棒の国会議員と老害財界がこの国をダメにしている ================================================================== 日本経団連の米倉昌弘会長が2月21日の記者会見で次のように 国会議員を激しく批判したという。 政局優先の与野党の議員は「給与泥棒のようなものだ。国民のために 何もしていない」、と。 ついに財界人がここまで国会議員をあし様に言うようになったのだ。 私はそれを歓迎する。 かつてロッキード事件が国会で大騒ぎになった時、大手商社の社長 たちが国会に参考人として招致されたことがあった。 その時、賄賂を行なう商社を国会議員が非難した際、たまりかねた ある大手商社の社長が、賄賂も必要悪の部分があり、それを先生方も 知っているだろうと言わんばかりの開き直りを見せた事があった。 それを国会で聞いていた駆け出しの私などは、民間人にも気概のある 人物はいるものだと妙に感心したものだが、その社長はすかさず、 民間企業の分際でけしからん奴だ、と国会で袋叩きにあって、たちまち 侘びを入れざるをえなくなった。 その時に比べれば財界人も偉くなったものだ。国会議員を給与泥棒 呼ばわりして憚らない時代になったのだ。 私は、国会議員を給与泥棒呼ばわりした米倉会長の言葉はその通りだ と思う。そういわれて反論出来ないほど国会議員は地に落ちた。 ところが米倉発言をよく読むととんでもない事がわかる。 米倉会長は会派を離脱した民主党議員の小沢派16人を批判している のだ。 法人税減税やTPPの推進を望む大企業にとっては解散・総選挙など を求めて政局を混乱させるのは悪だ。 さっさと予算案や関連法案を通して彼らの都合のいい政策を実現しろ。 そう言っているのだ。 その大企業は、金儲けのためなら何でもする、大企業を助けるために 政府はあらゆる政策を講じろ、と繰り返す。 その一方で、儲けた金は内部留保で溜め込んで、決して従業員に還元 しようとはしない。 何よりも世代交代を決して行なおうとしない。 資本主義の老害者たちが給与泥棒の国会議員を批判する。 批判されてもなお国会議員は政権を取るために財界の支援を欲しがる。 この国をダメにしたのはまさしく給与泥棒の国会議員と老害の財界なの ではないのか。 米倉発言を聞いてそう思う。 了

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