Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

小沢系16人の会派離脱の衝撃とその後の政局を展望する 
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年2月18日発行 第118号 ■    ==================================================================   小沢系16人の会派離脱の衝撃とその後の政局を展望する                   ==================================================================  政局がらみの話は面白いがこのメルマガでは極力取り上げる事 を控えてきた。  メルマガの目的は、公開情報を正しく読み解くヒントを提供し、 読者のひとりでも多くがその解説に価値を見出す、そういうメルマガ を書き続けることにあるからだ。  それに、政治の話になると誰もが熱くなる。特定の政党、政治家に 思い入れがある。  だから、すべての政党、政治家に批判的な私のような立場の者が、 その思いのたけをストレートに伝えると読者に不快感を与える事を 危惧するからだ。  しかし今度の民主党造反劇の意味するものはあまりにも大きい。  当分の間政治報道はこの事ばかりを報じるだろう。  他のテーマについて書いてみても、政局の行方次第によっては ピントはずれになることもある。  その意味でも、今の時点での私の考え方を一言書いておく必要 がある。  今度の造反劇は菅・小沢の争いの最終劇の幕開けである。  というよりも、これまでよってたかってたたかれた小沢一郎の 最後で、最強の反撃である。  中途半端では終わらない。行き着くところまで一気に進む。  ここまでくると私は小沢を応援する。  よくここまで頑張った。いままで小沢叩きをしてきた連中の鼻を あかしてやれ、大手メディアに責任をとらせろ、そういう思いだ。  考えてみればこのような事態が早晩起きる事は誰もが想像できた。  それが突然、意外な形であらわれたということだ。  そしていざその時が来ると、想定したとはいえやはり衝撃は大き かったと言うことだ。  一番衝撃を受けたのはもちろん菅首相である。  しかし、それに劣らず衝撃を受けたのは小沢叩きを繰り返してきた 大手メディアだ。  だから大手メディアは一様に不快感をもってこの造反劇を受け止めた。  あらゆる表現でこの造反劇を批判的に報道する。  批判的な報道をする事によって、無知な国民を反小沢に誘導しようと、 さらなる小沢潰しに奔走する。  いわく国民生活そっちのけで内紛はやめてくれ、  いわく反乱した議員16人は次の選挙で落選確実な連中だ。生き残り のための悪あがきだ、などなど。  NHKの大越健介や、TBSのみのもんたや、テレ朝日の古館伊知郎などは、 正直にこれをしゃべっている。  とんだお笑いぐさだ。  政治家はみな国民そっちのけだ。  その責任は政権政党の政治家が一番重く負わなければならない。  菅民主党政権もまた何一つ国民のための政策を実現できなかった。 それどころか政治を逆戻りさせた。  菅・小沢の闘いは単なる内紛ではない。国民のための政治を実現する ための権力闘争なのである。  我々はそれを歓迎し、より良い政権を求めて監視し続けていけばいい のだ。  メディアはまた、造反劇は小沢に当選させてもらった泡沫議員の生き 残りのための行動だと言う。  NHKの大越などは、造反した議員は皆前回の総選挙で最下位で当選した 者たちばかりだと言い、今度の選挙では絶対当選しないだろうと言わん ばかりの暴言を吐いていた。  しかし政治家は選挙をすべてに優先する生き物ではないのか。  政治家になれそうもない連中はこの16人だけではないだろう。  大越の解説が誤りである事は、来週から始まる小沢支持派の有力政治家 たちの動きで証明される。  ここまで政治が崩れてしまったらメディアも素直に現実を直視すべきだ。  あたらしい政治の枠組みをつくって再出発するほかはないことを認める べきだ。  その場合、いまの政治家の顔ぶれを見て誰がその中心になりうる政治家 なのか。それは小沢一郎しかない。  ここまで明確にその政策を明言している政治家はいない。それを実施で きる政治的影響力を持っている政治家はいない。  好き嫌いを離れて一度は小沢にやらせてみたいと考えるべきだ。  そう考える国民も、小沢叩きにもかかわらず増えつつある。  小沢で日本が救えるか。それは誰にも分からない。  しかし一度小沢にやらせて見るしかない。  それでも駄目な時、我々はあらためて日本の政治の救いがたさを 知り、そしてまたあらたな政治家、政党を追及していけばいい。  その絶え間ないプロセスこそが民主主義の政治であると心得るのだ。  奇しくも菅民主党政権の終焉を告げる出来事が次々起こりつつある。  共産党が子供手当法案への反対を表明した。  もはやキャスティングボートを握れなくなった社民党が協議打ち 切りを言い出した。  ゲーツ米国防長官が普天間基地問題の早期解決を求めると圧力を かけてきた。  時事通信の世論調査が内閣支持率17.8%をたたき出した。これは 鳩山内閣が退陣する直前の19.1%よりも低いという。  もはや菅首相の選択は解散か総辞職のどちらかだ。  ところが18日の産経新聞の一面トップは、解散か総辞職か居直りか、 と書いている。  それを裏付けるように、菅首相の女房役である枝野官房長官は18日 の記者会見で答えている。  憲法で与えられた菅民主党政権の任期は後2年半ある、それまで責任を 果たす、と。  菅民主党政権らしい発言だ。あくまでも居直る菅直人という政治家の 真骨頂だ。  もはやこれ以上書き続ける必要はないだろう。  これから先の政局は一切の解説は要らない。  両目を見開いて監視していくのみである。                             了

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2025年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2025年11月19日に利用を開始した場合、2025年11月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2025年12月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する