□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年2月18日発行 第115号 ■ ================================================================== 鳩山さん、孫崎享氏を助っ人にして「抑止論」議論の風を吹かせろ ================================================================== 最初に断っておくが、これは八百長ではない。私が書かせたの ではない。 2月18日の日刊ゲンダイに、私が昨日(2月17日)のメルマガ 第112号で語った事とまったく同じ事を書いていた記事を見つけた。 その記事の核心部分を以下に紹介する。 「・・・大マスコミは『改めて沖縄の不信感を煽った』みたいに (鳩山前首相を)叩いているが、そもそも、沖縄海兵隊の抑止力に ついてはさまざまな議論がある。これまでも疑問符が付けられてきた のだ。その検証もせずに、『抑止力』という言葉を錦の御旗にして、 沖縄に一方的に負担を押し付けてきたのが歴代政府だ。こちらが コトの本質なのだ・・・大マスコミは『方便』発言を批判するが、 それでは沖縄県民を納得させる『真実の言葉』があるのか。どんな 理屈をコネたところで、沖縄だけに基地が集中している理不尽を沖縄 県民が納得する言葉はないはずで、何を言っても『方便』になる・・・」 素晴らしい文章だ。私が言いたいことはこれに尽きる。 この日刊ゲンダイの記事の中で、孫崎享元外務省国際情報局長は 述べている。海兵隊は戦闘地域に派遣される急襲部隊だ、と。 沖縄に駐留しなければ抑止力が発揮できないということではない、と。 これに加えて言えば海兵隊の任務は真っ先に米国人を助ける事である。 これが専門家の共通の認識である。伊波前宜野湾市長も繰り返しこの 事を指摘してきた。 孫崎氏は次のように提言する。 「メディアは方便発言ばかり報じますが、抑止力と海兵隊の関係を 改めて真剣に考えるような報道をすべきです」 これもまったくその通りだ。 鳩山前首相は強力な助っ人を得た。孫崎氏を三顧の礼で迎えて、来る べき国会参考人招致に備えよ。 孫崎氏は私と違って異端児ではない。クビを切られた私と違って局長 やイラン大使などを経て外交官をまっとうし、防衛大学校の教授まで 歴任した外交・安保政策の専門家だ。 鳩山前首相が昨年5月末に辞めた時、メディアはそんな鳩山氏を皮肉 まじりにこう批判した。 ルーピー鳩山が唯一いい事をしたとすれば、それは日本国民に抑止力 とは何かを考えさせるきっかけを作ってくれたことだ、と。 そう言いながらもメディアは一切抑止論の是非を論じない。当たり前だ と言わんばかりだ。 鳩山前首相はいまこそその汚名を晴らせばいいのだ。 沖縄県民のために歴代政権が沖縄を不当に扱ってきた事を国会証言を 通じて国民に知らせるべきなのだ。 「方言」発言で沖縄県民を失望させた最大の償いは、それである。 了

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