□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年2月6日発行 第81号 ■ ============================================================= ホリエモン、私と組んで本物の平和新党を立ち上げないか ============================================================== 昨日の早朝(午前4時ごろだったと思う)にテレビをつけたら朝まで 生テレビが目に飛び込んできた。 番組の終わりのほうであったのでどのような議論がおこなわれてきた かはしらないが、ホリエモンが中国や北朝鮮が攻めてくると考えるのは 間違ってる、と力説していた姿に引き込まれた。 彼が平和論者であるかどうかは知らない。 彼が国際情勢の緻密な分析の上に立って力説しているのかどうかは 分からない。 実のところホリエモンの主張は右派論客から馬鹿扱いにされていた。 最近の北朝鮮の行動や、中国脅威論が花盛りの中で、中国も北朝鮮も 日本を攻めてこない、脅威ではない、と真顔で言う事は勇気がいる。 しかし、ホリエモンは誰が何と言おうが頑として主張し続けた。 日本を攻めて何の得があるのか。そんな事をすれば世界が許さない。 日本を攻める事などできない。尖閣でも沖縄でも攻められるものなら攻め てみろ。攻めさせてみろ。中国や韓国は国際社会から袋叩きにあう。 そんな事が中国や北朝鮮にできるはずはない。するはずはない。 そのあまりの剣幕に右派論客や司会の田原総一朗さえも沈黙せざるを 得なかった。 その光景を見た私は奇妙な感動を覚えた。 そしてその奇妙な感動はやがて賞賛の感動へと変わった。 これこそが私が求めていたものだ。 いわゆる「おりこうさん」の護憲論者に欠けているのはこの粗雑さだ。 荒々しさだ。 何よりも人に罵倒されてもひるまない愚直なまでの強い信念だ。 平和や安全保障について議論すればいくらでもできる。そして議論は 平行線に終わる。 しかしつまるところ戦争を回避し、平和を守る事は議論ではないのだ。 何があっても平和が重要だ。戦争をさせない。起こさない。そういう 決意だ。 いわゆる政治家の護憲論は言葉だけの護憲論だ。 平和が重要なのではなく平和を語る自分が偉いのだと考える者たちだ。 だからその言葉に迫力がない。心に響かない。 都合によって変節する。 皮肉にも近くに座っていた辻元清美はついにひと言も発しなかった。 ホリエモンと一緒にされたらたまらないとでもいうのだろうか。 社民党を捨てた現実論主義者にはもはや平和は票にならないとでも言う のだろうか。もいうのだろうか。 最後にひと事、彼女の口から出てきたのが「だから政界再編だ」と 言う言葉であった。 違う! 護憲・リベラルの結集を訴えるつもりなのか。 そのリーダーとなって活躍するとでも言いたいのか。 よしてくれ! 既存の政党が、そしてメディアに登場するようなおなじみの政治家たちが、 いくら政界再編を繰り返しても、どのような政党をつくろうとも、真の平和 政党は今の日本の政治の中からはうまれてこない。 平和についてホリエモン的な発言ができる者だけが平和を願う大衆を 動かす事ができるのだ。 ホリエモンが本当の平和論者かどうかは知らない。 ホリエモンのその他の言動には賛同できないところも多々ある。 しかし彼の主張した、日本を攻めてくる国はどこもないという言葉と、 あらゆる反論、罵倒をもろともせずにそれを訴えた続けたホリエモンに 私は、久しぶりに感動というものを味わったのである。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)