□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年2月6日発行 第80号 ■ ============================================================= エジプト政変から見えてきたものー佐藤優氏の正体 ============================================================== 今度のエジプトの反政府運動は、実はもの凄い出来事なのだ。 その行方がどこに落ち着こうとも、これからの中東情勢に大きな 影響を与えざるをえない。 いや、国際情勢の将来さえも変えていく事になるかもしれない。 今回のそのエジプト情勢をどう捉え、どう対応していけばいいか。 その発言を通して、その発言者の姿があぶりだされてくる。 たとえば米国とムバラク大統領の関係だ。 米国はムバラク大統領を徹底的に支援して来た。いや、利用する だけ利用してきた。 しかし今ムバラク大統領を切り捨てようとしている。 そしてムバラク大統領が抵抗を示している。 よくもそのような事ができるものだ。そんな事をするのならすべて をばらしてやる。エジプトを反米、反イスラエルの牙城のしてやる。 まだムバラク大統領はそこまで開き直っていない。 さすがの米国もムバラク大統領をサダム・フセインのように血祭りに あげるわけにはいかない。 しかし、それも今後の情勢次第だ。 反米、反イスラエルの動きがエジプト国民に強まるとみるや、非情 にも長年の朋友を切り捨てる。そんな米国の本性がむき出しになる かもしれない。 実は、こんどのエジプトの政変はひとごとではない。 日米同盟は不滅だ、などと言っている対米従属者こそ、エジプト政変 の事態の推移を複雑な気持ちで眺めているに違いない。 その一つの発露が前原外相の2月4日の記者会見での発言だ。 「(エジプトの)国民の皆さんの気持ちも分からないでもないが、 現実的な政権移行を冷静に考えるべきだ」 あきらかなデモ批判だ。何と言う内政干渉だろう。命を賭けて立ち上が ったエジプト国民に対する何と言う侮辱発言だろう。 評論家やメディアの社説ではない。現職の日本の外務大臣の発言である。 米国でさえももはやムバラク大統領の速やかな退陣やむなしと考えている のに、米国に代わってその本心を進んで代弁する日本の外務省。 2011年エジプト動乱の記憶とともに、永遠に我々の記憶にとどめて 置かねばならない前原外務大臣の言葉である。 しかし、今日のメルマガで書きたい事はこれからである。 佐藤優という元外務省職員が、その正体をここまで明らかにするとは 驚いた。 すなわち佐藤氏は2月5日の東京新聞の「本音のコラム」の中で要旨 こう書いているのだ。 ・・・最悪の事態はエジプトに核兵器の保有を追求する政権が誕生する ことだ。イランに加えエジプトが核開発を開始すると、中東における 核拡散が現実になる。人類が破滅する可能性すら生じる。そうならない ためにも北朝鮮からエジプトに核技術が流出するシナリオを阻止する事を 日本政府も真剣に考えるべきだ。北朝鮮・イラン・エジプトという悪の 三角形を阻止するためにも、この問題が国家存亡に直接かかわると認識 しているイスラエルと政治主導で協力を進める必要がある。質の高い情報 を持っているイスラエルとの協力を進める必要がある・・・ 佐藤氏の頭にはエジプト国民の事やエジプトの民主化の事など一切念頭に ない。あるのはイスラエルの安全だけである。 佐藤氏はイスラエルの情報機関モサドとの緊密な関係をすでに公言している。 しかし、この発言を読んで私の彼に対する見方はもはや確信となった。 彼は単なる親イスラエルの元外交官ではない。 モサドから情報をもらって評論活動家している単なる作家、評論家ではない。 にとどまらない。 中東を知らない無知な日本国民を、親イスラエル、反アラブに誘導する明確 なミッション(指令)を受けたイスラエル政府の代理人ではないか。 私の言動は間違いなく彼を通じてイスラエルに伝えられていると思っている。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)