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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

我々は小沢一郎に感謝しなければならない時が来るだろう   
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年2月1日発行 第67号 ■    =============================================================   我々は小沢一郎に感謝しなければならない時が来るだろう                      ==============================================================  小沢一郎が強制起訴された。  小沢一郎が好きな者も嫌いな者も、そして政治と金の問題が重要だと 考えるものもそれを否定する者も、そして何よりも政治的な利害関係に 基づいて小沢一郎の敵味方に分かれる者たちすべてが、やがて皆小沢 一郎に感謝すべき時が来るだろう。  あらゆる政党、政治家、政治的組織から中立の立場に立ち、ひたすら 反権力、脱官僚支配、米国の支配からの自立、平和外交、判官びいきの 立場にたってこの世の不正義、不条理を追及する私は、小沢一郎に感謝 したい。  その理由を書いてみたい。  ここに至るまでの小沢一郎が受けた圧力は想像に余りある物がある。 それに打ち勝って強制起訴までこぎつけた。その事に私は感謝したい。  強制起訴が現実になった今、小沢一郎に対する圧力は、これからは 離党、議員辞職一辺倒に姿を変えて強さを増していくだろう。  それに対して小沢一郎はきっぱりとそれを否定し、法廷闘争で無罪を 訴えると宣言した。その覚悟に感謝したい。  なぜ私がそれほどまでに小沢一郎を応援するのか。  小沢と一面識もない私が、小沢が好きでも嫌いでもない私が、そして 小沢の「政治と金」の問題について確たる情報も意見も持ち合わせない 私が、なぜここまで小沢一郎の強制起訴を歓迎し、それに徹底抗戦する 小沢一郎を評価し、感謝するのか。  その答えは唯一つだ。  我々が見たり聞いてきたこの世の中の数々の不正義、不条理のなかでも、 私はこの国の検察・司法制度の不正義、不条理ほど重大で深刻なものは ないと思っている。  そして検察・司法の不正義・不合理ほどそれを追及する事が難しいもの はない。  なぜならば正義を実現するべき立場の者たちが不正義・不条理を重ねて いるからだ。  この、およそ不可能とも思われる事が、すなわち検察・司法の不正義 ・不条理を追及し、彼らを処罰するという究極の「正義の実現」が達成 されるならば、これほど国民のためになることはない。快哉なことはない。  その時は私があらゆる言動を止める時である。  誰にもできないその事を小沢一郎がやってくれようとしているのだ。  今度の小沢一郎の強制起訴のニュースに対し、メディアが一様に書き立 てるのは、検察の間違った判断を市民が覆すことのできる検察審査会の意義 は大きい、というものである。  これは国家権力の横暴に痛めつけられ、官僚支配に辟易している市民の 感情に訴えるに十分な主張だ。  そしてそれを理由に司法制度改革がここにきて急速に進められてきた。  しかしその司法制度改革がまさしく国家権力と官僚の思惑で行なわれて きたとすればどうか。  その背後に米国の日本支配の意向が働いていたとすればどうか。  国民は救われない。不正義と不条理は倍加して固定化されていく。  もちろん、その真偽は今のところ明らかではない。  たとえそうであっても決して明らかにされないだろう。  だからこそ小沢一郎の強制起訴によって始まる様々な検証で、それが明らか になることを私は期待する。  そして私の期待はすでに現実のものとなりつつある。  メディアの論調が変わりつつある。  2月1日の日経新聞はこのような記事を書いた。坂口祐一編集委員の署名 入り記事だ。  「・・・検察の起訴権行使をチェックし、従来の制度の問題点をあぶり 出す検察審の意義を認めた上で、なお強制起訴には問題があるといわざる を得ない。特に『法廷で真相を解明する』ための強制起訴は、有罪判決を 求めるための検察の起訴とは異なる。2制度の並存は混乱を招くだろう・・  相次ぐ強制起訴には、法曹界の中にも『被告の経済的、社会的損失は計り 知れない。無罪になった場合誰が責任を取るのか』(検察首脳)といった 懐疑的な声はすくなくない。裁判員裁判は2012年、法に定められた 見直し時期を迎える。同じく市民の声を反映させるために導入された検察審 についても、そのあり方を十分に検討し、見直す必要があるだろう・・・」  かつてこのような署名記事が大手新聞に出たことがあっただろうか。  強制起訴後の法廷闘争は長期に及ぶとされる。  その間に小沢一郎の政治生命は終わる可能性が高い。  そしてそれを一番よく知っているのは小沢一郎自身に違いない。  すなわち小沢一郎は自らの政治生命と引き換えに正義の実現に挑戦して いると私は思っている。  我々は小沢一郎に感謝する日が来るかもしれない。  小沢一郎が好きでも嫌いでもない、小沢一郎とは何の利害関係も持たない、 何の見返りも期待しない私が、ここまで強制起訴を歓迎し、小沢一郎に感謝 する理由がここにある。                           了 明け暮れる者たち問題の敵味方反小沢、

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