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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

サッカーの感動を台無しにした国会の体たらく 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年1月27日発行 第55 ■    =============================================================   サッカーの感動を台無しにした国会の体たらく                    ==============================================================  まじめに働いている国民にとっては真っ昼間から国会中継など見て いらないだろう。  ニュースで報じられる国会審議はほんの一部だ。しかもどの報道も 同じテーマを追う。  だから何時までたっても国会の本当の姿が国民に正しく伝わらない。  そこで、たまたま26日の国会中継を見ていた私が、その日の国会の 体たらくを伝えてみたい。  やはり何といってもふざけていたのは民主党の城島光力という議員の 八百長質問とそれに対する菅首相の八百長答弁である。  およそ国会答弁などはすれ違いの不毛な答弁であるが、それでも野党 の質問は政府攻撃であるから多少の緊張はある。  応答する首相や閣僚も、感情的になって言葉が走り、ハプニングが 起きるおもしろさがある。  質疑はすべて与党と野党の議員でさせるべきなのだ。  それを民主党も約束していたはずだ。  ところがそれを改めて城島光力議員が質問し、菅首相がこれに答えた。  このあまりの八百長振りを腹立たしく思った私は、ブログで「前夜の サッカーの感動をぶち壊した国会答弁」と書いて批判した。  サッカーの感動はみながウソのない姿を見せて走り続けたことだ。  それに比べて八百長国会は何だ、と。  私一人が思っていた事ではない。1月27日の日経新聞などが書いていた。  「民主党は2009年の政権交代以降はじめて首相の施政方針演説に代表 質問者を立てた。方針を転換した」、と。  そこまでは誰でも気づく。  しかし次の朝日の記事には驚いた。  あたらしく民主党の国対委員長になった安住淳衆院議員が、親小沢派議員 が菅政権の政策を批判しないように質問内容を事前に管理しているという (1月27日朝日)。  ただでさえ八百長質問であるうえに、これでは自画自賛答弁だ。  どうりで城島・菅のやり取りが笑止だったわけだ。  きわめつけは国会が終了するときのどたばた光景だ。  まだ4時半過ぎだというのに、やおら民主党の若い女性議員が閉会動議を 読み上げた。  語尾を引っ張るあのふざけた動議だ。それが国会の伝統だという。  その事はいまは問わない。問題はその直後に起きた混乱だ。  野党議員が議長席にかけよって何かもめている。  何でもめているのかもちろんテレビを見ているものにはわからない。  NHKの中継アナウンサーがわからなくて政治解説者に聞いてみても 答えられない。  そのうち議長が閉会宣言をして国会は終わった。国会中継も終わった。  翌日(27日)の読売新聞がこう書いていた。  小池自民党議員の質問のうち、予算修正に対する総理見解と1票格差が 解散権を縛るかどうかについての総理見解について、答弁漏れがあったと いう。自民党が再答弁を求めたという。  それをどうするかでもめていたというのだ。  しかし民主党は応じなかったという。議長役を務めていた自民党の衛藤 副議長も散会宣言をしたという。  とんでもない国会の弛緩だ。  答弁漏れの答弁を拒否するなどという事はありえない事だ。  それを許す自民党は本気で菅政権を攻めていないということだ。  国会議員の皆が八百長国会をあきらめていて、はやく本会議を終わらせ たいのだ。  まだ4時半である。国会質疑がはじまってわずか2時間余りである。  政治家の晴れ舞台である国会の代表質問劇は、90分走り続けたサッカー 選手の感動をぶち壊した茶番劇であった。                              了

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