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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「成長」至上主義を問い直す動きを見せる新聞論調 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年1月11日発行 第18号 ■     ===============================================================    「成長」至上主義を問い直す動きを見せる新聞論調         ===============================================================  これは新たな動きなのだろうか。それとも単なる一過性の紙面なのか。  毎日新聞と読売新聞に、「成長」至上主義から「共生」社会へ重点を 移行させるべきと主張するかのような論調を見つけた。  一つは1月10日の毎日新聞「風知草」である。  筆者の山田孝男専門編集委員は、大手新聞の記者の殆どがそうである ように小沢批判者であり、今や保守・親米・大企業優先と化した菅・仙谷 民主党政権の擁護者だ。  その山田編集委員が自らのコラム「風知草」で、「成長を問い直す年」 にせよと言い始めた。  すなわち菅政権の内閣府官房審議官(経済財政分析担当)に任命された エコノミスト水野和夫元モルガン・スタンレー証券チーフエコノミストの 説を引用し、成長しなくても幸せな社会をどう創るか、経済成長至上主義を 問い直す感覚が欠かせない、と主張している。  二つは1月11日の読売新聞である。  「日本の改新」というシリーズの「識者に聞く」最終回で、コミュニティ 社会の重要性を唱えるマイケル・サンデル教授を登場させ、おまけに「鳩山」 友愛主義者である公共哲学主唱者の小林正弥千葉大学教授にその解説をさせて いる。  時代に即した共同体づくりの重要性を訴えさせている。  おりしも菅首相は年頭記者会見で強い日本経済の復興を目指すと述べた。  その考えの限界に気づき始めたということなのか。  それとも単なる一つの考え方の紹介に過ぎないのか。  偶然に毎日と読売が同じような記事を掲載しただけなのか。  経済政策に関するメディアの今年の論調の動きを注視していきたいと思う。                                 了

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