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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

2011年元旦の新年会における菅首相の言葉
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年1月3日発行 第4号 ■       ===============================================================    2011年元旦の新年会における菅首相の言葉     ===============================================================  今年も動き出した。  新年早々の新聞記事について最初に書くテーマは菅首相の新年会の 言葉である。  各紙が一様に取り上げている元旦の公邸での新年会。菅首相が皆の前で 語った挨拶のなかで、私が注目したのは次の二つの言葉である。  その一つは「やりたいことをやるために権力を掌握してがんばる」という 言葉だ。産経、日経、朝日が書いていた。  かつて日本の首相がここまであからさまに「権力を掌握する」と公言した ことがあっただろうか。  あの小泉首相でさえここまで露骨に言わなかったと思う。  菅首相が言う「やりたいこと」が、弱者のため、平和のため、共生のため の諸施策であればまだ許せる。  しかしやろうとしていることは、日本復活の名の下に、日米同盟の深化、 中国敵視、消費税増税、武器技術や原子力発電所をはじめとした大型プロ ジェクトの売り込みなど、強者の論理、大企業優先に基づく政策ばかりだ。  これは危ういと思う。  もう一つは、「ハレーションが起きる事を覚悟の上でやりたいことをやる」 という言葉だ。この言葉はすべての新聞が取り上げていた。  ハレーション(halation)とは写真用語で光が入って写真が見えなくなる 状態をいうらしい。  そこから、摩擦を起こすとか、混乱させるとかの意味で使うことがあると いうが、あまりなじみのない使い方だ。  そんな言葉を新年会で菅首相が使ったという報道を読んで、私は、 やっぱり「あの話」は本当だったのだな、と思った。  「あの話」とは、確か一昨年の暮れ(2009年)に、知人の一人から 聞いた話である。  その知人は、菅直人氏の後援会の一人で、なんとか私を民主党公認で出馬 させようと熱心だった人である。  その知人が近く後援会の集まりがあるので菅氏に直接私の事を頼んでみる という。  その気持ちはありがたいが無駄になるからよしたほうがいいと私はお願い した。それでも頼んでみると出かけた知人が、後日会った時に私に次のよう に語ってくれた。  やはり難しそうだ。菅氏はこう言った。民主党はいま鳩山首相の下で米国 とハレーションを起こして大変なことになっている。寺島実郎氏の意見を 聞いて対米外交を行なったためだ。寺島氏でさえこうだから、ましてや天木 さんは・・・  それから半年ほどたって菅氏は見事にこの国の首相となった。そして、 見事なまでに対米従属政策に突っ走った。自民党さえもためらった政策を どんどん進めようとしている。  菅首相の対米政策は、すでに鳩山政権の副首相の時代から培われたもので あったのだ。  2011年の元旦の首相公邸での新年会で、菅首相がハレーションという 言葉を使ったという記事を読んで、知人が伝えてくれた「あの話」はやはり 本当だったのだ、とあらためて思い知らされたのである。                               了

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