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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

尖閣漁船衝突問題の真相は今でも国民は何も知らされないままだ   
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年12月30日発行 第287号 ■       ===============================================================    尖閣漁船衝突問題の真相は今でも国民は何も知らされないままだ        ===============================================================  今年の重大ニュースが各紙で花盛りだ。  それを見て驚くのは尖閣漁船衝突問題が国民の関心事の最大の一つという ことだ。  毎日JPインターネット投票によれば圧倒的な票差で第一位だったという (12月毎日新聞金子秀敏 木語子が語る)。  それほど国民的関心のある事件であったのに、その真相が未だに明らかに されない。  たとえば12月30日の産経新聞がこんな記事を大きく掲載していた。  すなわち、9月25日に那覇地検が中国人船長を処分保留で釈放した後の 9月末に、中国外務省幹部が丹羽大使に「海上保安官が船長らを殴った」と 主張していた事が複数の日中外交筋の発言で明らかになったという。  中国側は「日本の外務省は現場で何が行なわれたかを知らない」、と切り 出し、衝突してきたのは海保の巡視船で、海上保安官が船長らを拘束する際に 暴行を加え、不法拘留したとの見解を伝えたという。  産経新聞はもちろんこれをとんでもない言いがかりだという。  衝突当時の映像はその後インターネットで流出し、「海保の巡視船が衝突し てきた」とする中国側の主張は覆された、と書いている。  しかし、その産経新聞も、政府は船長らを拘束する際の映像は公表しない、 今後も公表しない方針である、といぶかしく書いている。  12月30日の東京新聞は、もしあの時政府がビデオを公開していれば、 内閣支持率がここまで下がらなかっただろうし、仙谷官房長官の問責決議も なかっただろう、と言いながら、なぜそこまでして政府はビデオ公開をためら ったのか、政府介入はなかったという明らかなウソを繰り返したのか、に ついての追及はない。  おりから12月30日の産経新聞は、西岡武夫参院議長が来年1月召集の 通常国会で、那覇地検幹部を国会に招致して、官邸サイドからの圧力がなかった かどうか調査する意向を固めたと報じている。  これはあきらかに小沢対仙谷の政争がらみだ。  しかし政争とは別に、尖閣漁船衝突問題に関する一連の経緯については 国民の前でその真実が明らかにされなければならないと思う。  国民最大の関心事である事件について、ここまで真相が不明のまま終わって しまえば、今後の対中外交にとって禍根を残す事になると思う。                             了

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