□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年12月26日発行 第278号 ■ =============================================================== 小泉首相よりひどい菅首相 =============================================================== およそ平和を願う人たちの中で、今でも菅首相を支持している人が いるだろうか、と思う。 中国を敵視する動的防衛力構想を新防衛計画大綱の中に明記して 中国の反発を招く。 辺野古移設を受け入れないからといって、情け容赦なく名護市への 「再編交付金」を打ち切る。 政権維持の為に、憲法改正を誰よりも主張する平沼「たちあがれ日本」 との連立をもくろむ。 菅首相の対米従属振りと政権亡者ぶりはここに極まれりの感がする。 しかし、私が菅首相は小泉首相よりひどい、と言う理由はその事 ではない。 12月26日の毎日新聞「反射鏡」で、野沢和弘論説委員が次の エピソードを紹介していた。 菅首相が厚生大臣だった1996年夏の事だ。 病原性大腸菌O157騒動が起こり、カイワレ大根が原因とされた事に 対し、その過剰反応を抑えるために菅大臣がカメラの前でそれを食べて みせるパフォーマンスを行なったことがあった。 その時、若手官僚が10人以上借り出されて都内のスーパーを汗だくで 探し回ったという。 どこにも見つからず、やっと農水省の売店を通じて埼玉県から取り寄せ、 いよいよ大臣室にカイワレが山盛りの皿が用意された時の事だ。 テーブルにあったドレッシングを見た菅大臣の顔が曇ったという。 「ゴマは好きじゃない。しょうゆドレッシングにしてくれ」 猛暑の中を駆け回ってきた菅領たちは言葉が出なかったという。 カイワレを探し回った官僚の一人がこう言ったという。 「安全をアピールするのが目的なんだから、ゴマでもしょうゆでもいい じゃないですか。小泉(純一郎)さんだったら黙って食べてくれたと思い ますよ」 このエピソードが本当の話かどうかは知らないが、思わず笑ってしまった。 確かに小泉首相のほうがパフォーマンスでは一枚上だったと思う。 そんな小泉首相が懐かしく思えるほど、私は菅首相の対米従属ぶりに 反感を覚えるのである。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)