Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

これは調査捕鯨の名を借りた犯罪ではないのか
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年12月23日発行 第273号 ■       ===============================================================    これは調査捕鯨の名を借りた犯罪ではないのか     ===============================================================  もう一つ、今日の記事で見逃せない記事があったので書きとどめたい。  12月23日の読売新聞は一段の記事で次のように小さく報じていた。  水産庁は調査捕鯨船に同乗した水産庁の漁業監督官が、船会社から クジラ肉を受け取っていたとして、22日、漁業監督官計5人を国家公務員 倫理規程違反で、戒告などの処分にしたと発表した、と。  この記事を読んで私の頭に即座に浮かんだのは、グリーンピースジャパン のメンバー二人が調査捕鯨における鯨肉横領疑惑を追及するために証拠品を 窃盗した疑いで逮捕された事件(2008年7月)の事である。  この事件は、その後青森地裁によって、「調査捕鯨の鯨肉取り扱いに 不明朗な点があり、彼らの行為でそれが改善された」と認められたにも かかわらず懲役1年、執行猶予3年の判決が下された(2010年9月)。  被告は直ちに控訴し、いまもその訴訟は進行中である。  読売新聞が報じるこの水産庁の処分はあくまでも公務員が関係業者などから 金品の授受を受けてはならないという内規違反に対する行政処分に過ぎない。  しかし受け取った鯨肉がグリーンピースジャパンが告発した調査捕鯨を目的 に捕獲した鯨肉の転売という不正行為による鯨肉の一部であったとしたら どうだろう。  そしてその事を水産庁の漁業監督官が知っていた上で見過ごしていたとすれ ばどうだろう。その見返りとしての鯨肉授受であればどうだろう。  それはもはや内規違反に対する軽い行政処分で済ませられるものではない。  水産庁ぐるみの違法行為ではないのか。  法の適用が反権力者に厳しく、政府関係者に甘いということがあっては ならないのである。  それを許してきたからこそ日本はおかしくなってしまったのではないのか。  果たしてこの問題を取り上げ、調査して、我々に問題提起してくれる優れた メディアがあらわれるであろうか。  メディアもまた試されているのである。                                   了

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年11月19日に利用を開始した場合、2024年11月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年12月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する