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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

また一人、日米同盟の真実を語り始めた元官僚があらわれた
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年11月22日発行第217号 ■       ===============================================================          また一人、日米同盟の真実を語り始めた元官僚があらわれた     ===============================================================  官僚人生をまっとうした後に、大学教授や政府関係シンクタンクに 天下って外交や安全保障を語る元同僚たちが最近やたらに目につく。  しかしその言説には、ほとほとうんざりさせられる。  政府広報かその焼き直しだ。さもなければ自己弁護だ。  政府批判をしているようでも決して日米同盟重視の枠は外さない。  だから言説に迫力が無い。言葉の遊びに終始する。自己矛盾に陥る。  要するに、彼らの発言から得るものは何もないのだ。  なぜそのような言動しか彼らはできないのか。  それは、彼らが不勉強であったからだ。政権にあぐらをかいて本物の 仕事をしてこなかったからだ。  だから語るものがないのだ。  なによりも、官僚を辞めた後もあわよくば政府の要職に抜擢されたい、 メディアに重用されたい、そういう下心があるからだ。  そんな中で、私が敬意を持ってその言説を評価する数少ない外務官僚OB が浅井基文氏と孫崎享氏であることは既に繰り返し書いてきた。  そしてそのような官僚の一人に、またあらたな人物が加わった。  11月22日の東京新聞において半田滋編集委員が元官房副長官補の 柳沢協二(64)氏にインタビューしていた記事を見つけた。  柳沢氏は小泉政権から麻生政権まで足掛け5年間にわたって内閣の安全保障 担当の官房副長官補であった。  その前は防衛省の局長、防衛参事官などを歴任した防衛官僚であった。  いわば日本の防衛政策を決定してきた中心人物の一人である。日米安保条約 そのものを運用してきた責任者の一人だ。  その柳沢氏が、米海兵隊は沖縄どころか日本に存在する価値はない、と言い 出したのだ。  軍隊で国際テロを抑止できないように世界は多面的になっている。抑止論は 時代遅れだと言いだしたのだ。  米国への従属を続ければ基地負担は消えない、この大きな問題を解決するには、 思考停止から覚めなければならない、と言いだしたのだ。  これは物凄い事である。  田母神元自衛隊航空幕僚長の発言は、受けを狙って図らずも日米同盟の欺瞞 を暴露したに過ぎない。  政府はたわけ者の戯言だと笑って一蹴する事ができる。  しかし柳沢氏は違う。  孫崎氏と同様、ついこの間まで時の政権の中枢にあり、日本の安全保障政策 や日米同盟の運用に携わってきた幹部の一人である。  握りつぶすわけにはいかない。堂々と受けて立たなければならない。  どちがが正しいかを真実と理論武装で国民前で競い合わなければならない。  私は柳沢氏の今後の言動に注目している。  今後メディアが柳沢氏の言説をどの程度取り上げていくか注目している。                                了

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