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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 日米同盟の欺瞞を暴露した田母神元航空幕僚長の最近著
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年11月22日発行第216号 ■       ===============================================================          日米同盟の欺瞞を暴露した田母神元航空幕僚長の最近著     ===============================================================  受けを狙って口にした不用意な発言が政権を揺るがす事態に発展したのが 柳田発言である。  そうであれば、同じく調子に乗って書いた本が日米同盟神話を打ち砕く ことになるかもしれない。  それが田母神俊雄元自衛隊航空幕僚長の最近著「田母神国軍」(産経新聞 出版)という本の中に述べられた日米同盟に関する記述の数々である。  どうせ田母神氏の言う事だから笑って読み過ごされているのかもしれない。  どうせ田母神氏の言説を好むような読者にはその深刻性に気づく能力のある 者がいないのだろう。  まともな人間なら田母神氏の著書などはじめから読む気にならないのかも しれない。  しかし私の目をごまかす事はできなかった。私は見落とさなかった。  受けを狙って田母神氏が不用意に書き綴った数々は、書物として永久に残る。  もしその深刻性がメディアなどで正しく指摘され、国民に知らされる事に なれば、今後の菅・仙谷政権の対米外交に影響を与えざるをえないだろう。  もし日米同盟の実態がここまでウソで塗り固められている事を沖縄県民が 知る事になれば、1週間後に控えた沖縄県知事選の結果を左右せざるを得ない だろう。  だから私はこのメールマガジンを書いているのだ。  このメールマガジンの読者の中に伊波候補陣営に近い読者がおられたら、 ぜひともこの内容をお伝え願いたい。革命的な変化が起きるかもしれない。  前置きが長くなった。  田母神氏はその最近著である「田母神国軍」(産経新聞出版 平成22年 10月28日初刷、11月19日第3刷)の中で次のように彼の対米観を 書き連ねている。  いわく、実は日本国民はほとんど気づいていませんが、日米安保は日本が 攻撃を受けたときアメリカが自動的に参戦してくれることは保障していません。 日本を守るかどうかはアメリカの意志に委ねられています・・・日米安保は 機能するかどうかわかりません。日本のせいではなく、アメリカの勝手で。 (22頁-23)  いわく、アメリカと中国は一触即発に見えるでしょうが・・・お互いに そういうフリをしているだけで、アメリカも中国と衝突する気などないし、 中国もアメリカと戦う気などありません・・・(79頁)。  いわく、9・11テロ以降のアメリカの立ち回り方は、うまくテロを使った と言えるのではないでしょうか・・・アメリカは同盟国に対して『協力しない のか!』という『正義の御旗』を掲げているのです・・・諸外国も『協力しな い』とはなかなか言いにくい。ですからアメリカは使い勝手のいい錦の御旗を 見つけたということです。誰が考えたのか、頭のいい奴がいたなと思うばかり です。(99ページ)  いわく、日本は衰えたとは言っても、それなりの経済力があるので、まだ まだ活用したいアメリカにとっては大変都合がいいわけです・・・なぜなら これほど金銭面でアメリカを支援してくれる国はないからです・・・『出て 行け』と強く言えば、『いや、出て行かない』とごねるに決まっています。 (105ページ)  いわく、(アメリカは自国を棚にあげ)、イランが核を持つ事は危険だと あらゆる手を使って宣伝するわけです。しかし150年間他国を侵略したこと のないイランにしてみれば、アメリカにだけは言われたくないという話です・・ ・イランは不退転の覚悟です。これは、独立国家として当たり前の感覚です ・・・(111ページ)  いわく、(日本が情報をすべて)自前でまかなえるまでにはなりません。 アメリカが許さないからです。結局、アメリカから情報を与えられているだけ です・・・北朝鮮の時だけ、なぜか大騒ぎします・・・(それは)アメリカが 特に北朝鮮の情報だけを日本に流しているからです。アメリカは、北朝鮮に よるミサイルの脅威を煽ることで、日本のミサイル防衛体制を強化させたい と考えています・・・(117頁)  もうこれ以上例示する必要はないだろう。  田母神氏が指摘するこれらの諸点は、表現こそ違うけれど、私が繰り返し 述べてきたことばかりだ。  そして田母神氏や私が言っている事は、当然の事ながら外務・防衛官僚たち が等しく共有している事なのだ。  そうなのである。  田母神氏のこの著書は図らずも日米同盟関係の欺瞞を満天の下に暴露した のである。  「日米同盟こそわが国の最優先の政策だ。国益だ」という政府の主張がウソ で塗り固められているということだ。  ウソと知っていながら国民をだまし続けてきたということだ。  国民は怒らなければいけない。  沖縄県民は今度の知事選挙でその怒りを爆発させなければならない。  受け狙いで書いた田母神氏の著書が日本に革命的変化をもたらすかもしれ ない。  誰もができなかった事を田母神氏のこの本が果たしてくれるかもしれない。                              天木

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