□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年11月11日発行第194号 ■ =============================================================== 小沢一郎の前に仙谷由人の政治生命が終わることになる =============================================================== 尖閣ビデオの問題は思わぬ急展開を見せることになりそうだ。 海上保安官が流出させたことが明らかになった事だけではない。 その海上保安官が、国民の知る権利の為に辞職を覚悟でやったと 述べたからだ。 政府も、そしてその代弁を繰り返す大手メディアも、真相の解明には なお時間がかかるとごまかしている。 ところが日本テレビの記者はその海上保安官を事前に知っていて、その 海上保安官が自供してつかまる前に単独インタビューをしていたのだ。 そのインタビュー内容が日本テレビから流された。 私はその映像を今朝(11日)早朝5時の日本テレビで偶然見て驚いた。 その海上保安官はこのままではビデオが闇に葬られてしまう。国民は 真実を永久に知らないままに終わる。そんな事があってはならない、と 辞職を覚悟で自分が流したと述べたという。 自分のとった行動の最終的是非は国民が行なえばいい、とまで言ったという。 そこまで日本テレビの記者に語っていたというのだ。 この日本テレビが流したビデオが真実であれば凄い事だ。 日本テレビの大スクープだ。 おそらくユーチューブで流されているだろうから読者には是非見て いただきたい。 やらせで悪名の高いテレビだが、今回はおそらく真実だろう。そのことが もうすぐ判明して大騒ぎとなるだろう。 これは国家機密の漏洩に手抜かりがあったということではない。 罰則規定をより厳格化して済む話ではない。 政府が隠蔽しようとした事実を国民に知らせたいとする確信的行為だ。 菅・仙谷政権の政治判断に対する異議申し立てだ。 政府の責任は免れないと判断した仙谷官房長官は、10日の衆院予算委員会 ではやばやと海保長官の更迭を仄めかした。 姑息な保身的国会発言だ。 しかし、この日本テレビの映像が流された事によって、その責任逃れはものの 見事に粉砕された。 国民は仙谷の逃げ口上を許さないだろう。 そんな事をしたら菅・仙谷民主党政権は終わりになる。 仙谷官房長官は民主党政権を守るためにみずからの首を差し出すしかない。 そしてこのような政治判断の誤りで官房長官を辞めるという事は、もはや 仙谷由人という政治家は二度と政治の表舞台へ出る事はできないということだ。 小沢一郎の政治生命を奪う事で一躍政治の表舞台に躍り出た男が、いまや その小沢一郎より先に政治生命を終えようとしている。 政治の皮肉だ。 政治の世界は文字通り一寸先は闇だ。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)