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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 大手メディアが報道しない「高知白バイ事件」再審請求の動き
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年11月3日発行第175号 ■       ===============================================================           大手メディアが報道しない「高知白バイ事件」再審請求の動き     ===============================================================  一時的に大騒ぎをしても本質的な事は何も変わらないままメディアの報道 から消えていく。  これが日本の現実だ。日本の政治の無力さだ。  検察・司法の民主化もその一つだ。  ここまで検察・司法組織の矛盾が明らかになったというのに、もはや メディアの関心はウソのようだ。遠い過去の物に追いやられようとしている。  検察の裏ガネ問題を解明する絶好の機会であるのに政治が動かない。  三井環元大阪地検公安部長が捨て身になって告発を続けている。  それを週刊朝日が応援している。  週刊朝日11月12日号の西岡研介と週刊朝日取材班の「超スクープ第3弾」 の内容もまた衝撃的だ。  三井氏は、10月28日には衆院議員会館で開かれた「取調べの全面可視化 を実現する議員連盟」に出席し証言した。  民主党がその気になれば大林検事総長を国会に証人喚問して裏ガネの全容を 国民の前で明らかにすることができる。  しかし決してそうはならない。  大手メディアは決して裏ガネ問題の究明に本気にならない。三井環氏の動き をまったく報道しない。  大手メディアがまったく報道しないもう一つの検察・司法の大罪がある。  それがいわゆる「高知白バイ事件」である。  発売中の週刊サンデー11月14日号が、フリージャーナリスト粟野仁雄氏 の手による「高知白バイ事件」の再審請求の動きを報じている。  2006年3月、片岡晴彦氏の運転していたスクールバスに白バイ運転手が 衝突して死亡する事件が起きた。  当初から片岡運転手に対する取調べに不明な点があると指摘されていたにも かかわらず、片岡氏は禁固1年4月の実刑判決を受け、今年2月まで刑務所に 収監された。  人生を台無しにされた。  その片岡氏が10月18日に高知地裁に再審請求書を提出したというのだ。  その日は、冤罪で苦しみ、無罪を勝ち取った菅家利和さんも応援に駆けつけ たという。  再審請求の代理人は、最高裁の裏ガネを追及した元裁判官の生田暉雄弁護士 であるという。  これだけニュースの主役がそろっているというのに、大手メディアは全く 報じない。  だから一般国民は何も知らないままだ。  生田氏は言う。   「当時、(高知)県議会で県警の裏ガネ問題が追及されていた。公道を使った 白バイの追尾訓練がばれては一大事と現場や合成写真で証拠を偽造したの です」、と。  検察・司法の組織崩壊がこれほど明らかになっている今こそ、「高知白バイ 事件」の再審が認められ、正義が実現されなければならない。  再審請求の動きを大手メディアは大きく報道し、般国民の注意を喚起し なければならない。  それなのに報じようとしない。  フリーランスの記者や地方紙、雑誌が書くだけだ。  検察や司法の組織的犯罪行為をすべて明らかにし、それが確認されれば、 一般の国民と同様に逮捕、収監されなければならない。  そうなったら国家の危機だ、だからそれは行なわない、とでも言うのか。  とんでもない。  たとえ検察、司法官僚の全員が逮捕されても代わりのまともな人材を補充 すればいいだけの話だ。  国がつぶれることなどありえない。微動だにしない。  我々の生活が困る事など何一つない。  むしろこの国の検察・司法組織を一度すべて解体したほうが日本の為に なるのだ。  しかし菅・仙谷民主党政権では決してそうならないであろう。  菅民主党政権が、その掛け声とは裏腹に決して革命政権ではない証拠である。  一年前の政権交代が、革命でもチェンジでもなかったということである。                                了                                      

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