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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

前言を撤回します。大坪らに同情の余地はない
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年10月27日発行第166号 ■       ===============================================================          前言を撤回します。大坪らに同情の余地はない    ===============================================================    私は10月23日のメルマガ第159号で、大坪前大阪地検特捜部長らは 組織防衛に走る検察最高首脳らの犠牲者だと書いた。  大坪らの徹底抗戦については、その悔しさはわかる、と同情した。  その事について読者からお叱りを受けた。  裏ガネを告発した警察の仙波敏郎氏や検察の三井環氏や、イラク戦争に反対 した天木氏たちと、大坪らはその立ち位置が根本的に違う。同列に扱うな。 大坪らに同情を寄せる必要はまるでない、と。  確かにそうかもしれないと反省した。  そしてその反省を決定づける記事を見つけた。  10月26日号の日刊ゲンダイの中でノンフィクション作家の溝口敦氏が コラム「切り込み時評」で要旨次のように書いていた。  ・・・大坪容疑者らは徹底抗戦の構えのようだが、大いに歓迎だ。公判廷 では検事同士が大いに泥仕合を演じて世間を顰蹙させ、結果として検察の膿を 出し切ればいい。  検察は、裏ガネを告発しようとした三井環氏の犯罪を、山口組系の暴力団 がらみと組んででっち上げ、三井氏を逮捕・起訴して裏ガネづくりの告発を 封じた。その張本人が大坪だった。  原田検事総長以下当時の検察首脳部は三井氏のでっち上げ逮捕を容認・指示 した事はほぼ確実である。原田検事総長は後藤田正晴氏を麹町の事務所に訪ね、 三井逮捕について相談し、後藤田はこれを了承して、当時の森山真弓法務大臣 に因果を含めた。  でっち上げに協力したその山口系暴力団らは「検事総長には貸しがある」と 吹聴していた。  おそらく大坪は次のような考えを持って検察首脳と徹底抗戦するつもり だろう。「三井のでっち上げ逮捕で検察の危機を救ったのはオレだ。オレが ヤクザ風情と手を組み、体を張って三井の告発を阻止した。検察上層部には 貸しがある」・・・。  フリージャーナリストの溝口氏は様々な関係者からの証言にもとづきこれら の事を書いている。  彼の書くことが事実としたら大坪前大阪地検特捜部長らに同情の余地はない。  溝口氏の言うように徹底抗戦し、裏ガネの事実をすべて国民の前に白状して 検察首脳を道連れにして刑に服してくれ。せめてもの罪の償いだ。  そういえば小沢一郎の政治とカネの問題に関し、東京地検特捜部の吉田正喜 とかいう副部長が、とり調べ中の石川議員に対して「今回は小沢を起訴でき なかったが検察審査会で必ずやられるのだ!」と語っていたという事を鈴木宗男 議員が石川議員から直接聞いた、とどこかで話していたことを思い出す。  すでに2010年2月1日の時点で東京地検特捜部の担当者がそう言って いたとすれば、やはり小沢問題は根が深い。  私は甘いのかもしれない。ナイーブなのかもしれない。  世の中には私が想像するよりもはるかに悪質なことが行なわれているのかも しれない。  権力犯罪の悪質性は、まともな国民には信じられないほど醜悪であるのかも しれない。                                 了

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