□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年10月26日発行第165号 ■ =============================================================== 菅・枝野・辻元が寿司屋で寿司をつまむ光景 =============================================================== 発売中の週刊ダイヤモンド10月30日号に政治コラムニストの後藤謙次 (元共同通信編集局長)が日中関係悪化を招いた菅政権の無策ぶりについて 書いていた。 その記事そのものについては特段の関心はない。 彼に言われるまでもなく菅政権では対中関係は改善しない事は、私もこの メルマガで何度も書いてきた。 私が驚きをもってその後藤氏の記事を読んだのは、菅首相が福田元首相を 首相公邸に呼んだ背景を語ったくだりだ。 菅首相は10月16日に首相公邸に福田康夫元首相を呼んだ。11月13日 から横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の議長役をする ので、北海道洞爺湖サミットのホスト役を経験した福田元首相にアドバイスを 求めたのだと当時報道された。 しかしそれを真に受ける者は誰もいないだろう。 福田康夫は、父福田赳夫首相が1978年8月に日中平和友好条約を調印 して以来、対中外交に関しては影響力のある政治家の一人だ。 菅首相がその福田康夫氏に、日中関係の改善策につき協力を要請したと しても不思議は無い。 しかし私が驚いたのは、その事ではない。 福田はマスコミに気づかれないように総理公邸の裏門からこっそり入る 段取りになっていたのに、菅首相はあることで福田元首相を激怒させた。 カチンと来た福田は、あえてマスコミに見えるように表玄関から入った という裏話を後藤の記事からはじめて知った。 本来極秘会談であったはずの菅・福田会談はこうして翌日の各紙の一大 ニュースとなって駆け巡ったのだ。 菅首相が福田元首相を怒らせた理由とは何か。 それを後藤氏は次のように書いている。 私が一番注目したのはこのくだりである。今日のメルマガのハイライトだ。 「・・・関係者によると、菅側近の首相補佐官、寺田学が三菱商事の先輩 でもある福田の長男、達夫を通じて会談を申し入れ、福田も『現職総理の申し 入れを断る理由がない』と応じたという。 ところがここで菅は失態を演じてしまう。菅はその直前まで東京・代官山の すし店で民主党幹事長代理の枝野幸男や、衆院議員の辻元清美と寿司をつまん でいた。これを聞きつけた福田はカチンと来たのだろう。あえてマスコミに 見えるように表玄関から入ったというのだ・・・」 わざわざ呼び出しておいて、その直前まで寿司屋で寿司を食っているとは何だ、 というわけだ。 私は福田とは別の意味で腹が立った。 10月16日といえば尖閣問題で国会が大騒ぎをしていた時だ。日中関係が いまだ緊張していた時だ。 そんな時に、中国は法治国家ではないと暴言した枝野と、社民党を離党して 民主党に擦り寄った辻元清美と一緒に、菅首相が代官山の寿司屋で寿司を つまんでいた。 その光景を思い浮かべながら彼ら三人の政治家としての器量に失望し、怒り を禁じえなかった。 そういえば辻元清美は北海道5区の補欠選挙で、民主党の岡田幹事長などと 一緒になって民主党候補を応援していた。 その光景を、自民党の町村議員が当選した時のテレビニュースで私ははじめて 目にした。 それにしても辻元清美と言う政治家には今更ながらあきれさせられる。 社民党時代にはあれほど護憲・平和を訴えていたのに、社民党では選挙に勝て ないと公言してあっさりと離党した。 無所属を通すと言っておきながはやくも民主党議員のごとくふるまっている。 改憲を主張する枝野と仲良く寿司をつまむ。 自民党以上に対米従属であり対中強硬外交を唱える前原の民主党に擦り寄る。 護憲・平和を訴え続ける私は辻元清美に馬鹿にされているかのようだ。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)