Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

ウィキリークスの第二弾が出た
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2010年10月25日発行第163号 ■       ===============================================================           ウィキリークスの第二弾が出た     ===============================================================   メルマガの熱心な読者であればご記憶のことと思う。  私は9月20日発行のメルマガ第103号で告発サイトのウィキリークス がアフガン戦争の実態を告発したことの衝撃度について書いた。  その時、週刊ニューズウィーク誌日本語版の記事に、数週間後にはもっと 大規模で衝撃的なイラク戦争の実態が告発されるかもしれない、米国政府らの 妨害をうまくすり抜けることができるとすれば、と書かれていると紹介した。  それから一ヶ月あまりたった10月24日の日本の各紙は、ウィキリークス が22日、イラク戦争に関する米軍などの膨大な機密文書を公表したと報じた。  週刊ニューズウィーク誌の記事は正しかったのだ。  ウィキリークスは圧力をうまくかわしたのだ。  日本の大手各紙が報じるその一端だけでも衝撃的だ。  公開された機密文書は前回の9万余点とくらべ約40万点とはるかに膨大だ。 これもニューズウィーク誌が報じた通りだ。  開戦から約9ヶ月後の2004年1月から09年までの死者数の統計は、 米英当局は存在しないとしていたが、死者10万9千人以上、そのうち 約6万6千人が民間人だった数字をつかんでいたことが明らかにされた。  民間人の犠牲者のほうがはるかに多かったことが確認された。  米軍の拷問や非人道的な殺害の実態も明らかにされた。  米軍ヘリが降伏しようとした武装勢力を攻撃、殺害したこともわかった。  日本の大手新聞の報じる内容はほとんど英国紙ガーディアンや米国紙 ニューヨークタイムズからの転載である。  その報道も一日遅れだ。  残念ながら日本のメディアには語学力のハンディがある。  公開情報のすべてを検証する時間も能力もない。  しかし慌てる必要は無い。これから時間をかけて徐々にその告発された 機密文書を読み解いて我々に教えてほしい。  その事によって米国のイラク戦争の非道さが白日の下にさらされていく。  この告発は、前回がそうであったように告発サイトのウィキリークスと 英米の主要紙が協力して行なわれたものだ。  英米紙はたとえそれが自国の政府に不利になる情報であってもそれを国民に 知らせる。  ここにジャーナリズム魂を見る。日本の大手紙とのジャーナリズム魂の違い を見る。  私が日本の各紙が報じる記事の中で見つけた感動的な言葉は、例によって ウィキリークスの創始者であるジュリアン・アサンジュ氏の言葉である。  彼は米CNNテレビのインタビューやロンドンの記者会見などで次のように 答えたという。  「内容はすべて真実だ、有無を言わせぬ戦争犯罪の証拠だ」  「政治的な影響を最大限に与えたい」、と。  さらに10月24日の朝日新聞は、ロンドンでアサンジュ氏にインタビュー した時の言葉として次のように紹介している。  「イラク戦争はウソで引き起こされ、ウソで続けられた。真実をあばく 必要がある」  「(今回公開された文書は)イラクのあらゆる街角で、大量虐殺が起きて いたことを示した。報告されないような何十万もの小さな死が戦争の悲劇だ」  「民主国家は戦争の際に常にウソをつく。だが民主主義の下では真実を あばく事で戦争を防ぎ、ただすことができる」  見事な言葉だ。  日本のメディアに期待することは、彼の提供してくれた膨大な資料を読み 解き、それを日本国民に知らせることだ。  取りも直さず、それがイラク戦争の最大の検証となる。  イラク戦争を支持した日本政府の誤りを糾弾する最善、最強の力となる。                                了

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年11月19日に利用を開始した場合、2024年11月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年12月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する