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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

小沢と仙谷の最終戦争が始まった
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2010年10月15日発行第148号 ■       ===============================================================             小沢と仙谷の最終戦争が始まった     ===============================================================  今日10月15日に小沢一郎が国を相手に行政訴訟をに起こす事が明らか になった。  小沢一郎を強制起訴に追い込んだ東京第5検察審査会の起訴議決には重大 な瑕疵があり、起訴手続きの差し止めを国に求める、というものである。  これは小沢が仙谷に投げつけた最後で最強の反撃である。文字通り小沢と 仙谷の最終戦争が始まったということだ。  仙谷は即座に反応を示した。「裁判で争うしかない」と。受けて立つという ことだ。  まかり間違えば日本の首相になったかもしれない政治家が、その日本国家を 訴える行動に出た。これは前代未聞の事だ。  しかも今の日本国家を動かしているのは仙谷である。その仙谷は検察も司法 も握っている。  すなわち今回の小沢一郎の行動は、国家権力である仙谷との不利な戦いを 承知の上で挑んだ戦いということだ。  小沢は仙谷と刺し違えようとしているのだ。  ここまでの決意を小沢が見せた理由を、私は発売中の週刊実話10月28日 号に見つけた。  その記事の要旨を私なりにまとめるとこうだ。念のため関心ある読者は 原文にあたって確認してもらいたい。  検察審査会の議決は10月4日に発表されたが、その議決は民主党代表選挙 の当日である9月14日に既に下されていた。もしあの代表選挙で小沢一郎が 勝っていたら、その直後にそれが発表されていたに違いない。  そうなればたちどころに小沢一郎は窮地に追いやられたに違いない。起訴 される者が総理になれるはずはない。  代表選に勝っても負けても絶対に小沢一郎を総理にさせない仕組みが出来て いた。  結果的には小沢は敗れた。だから発表をする必要はなくなった。むしろ発表 は遅らせたほうがいい。  検察審査会の発表日を捜査できるのは政府しかない。政府を動かしている のは仙谷だ、検察審査会の一連の動きは仙谷によって仕組まれた陰謀では ないか、と。  ここまでは週刊実話が書いていることだ。  しかし小沢が行政訴訟に出たもう一つの理由があると私は勝手に想像する。  それは東大も司法試験も落ちた小沢が俺に勝てる訳がない、などと豪語して いる仙谷との権力闘争を、国民の目の前で正々堂々と法廷闘争で決着をつけ ようじゃないか、そう小沢は宣言したのだ。  その背後には小沢が資産をなげうって雇った多くの優秀な弁護士が控えて いる。人間ドラマだ。  仙谷が何があっても明らかにしないことがある。  それは中国漁船衝突時のビデオテープと第5検察審査会のメンバーである。  しかし少なくとも法廷闘争になれば検察審査会に関する情報は開示される事 になる。  それだけでも国民にとっては有益だが、もし行政訴訟に負けるような事に なれば、この国の検察・司法のシステムが根本から揺らぐ事になる。いやが おうでも革命がおきる事になる。  しかし法廷闘争は時間がかかる。小沢もまた政治生命を失う事になる。小沢は それを知った上で訴訟に踏み切ったのではないか。  所詮政治家の権力あらそいだ。そんな暇があったらわれわれの暮らしをなんと かしろ。そう考えるのが国民の正しい態度である。  しかし、今回の権力闘争は、大袈裟に言えば日本の将来を左右する権力闘争の 意味合いもある。  我々も少しは襟をただし、厳粛な気持ちでこの権力闘争の行方を見守ったほう がいいのかもしれない。                                 了

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