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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 小沢の敗北と菅の苦悩 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン 2010年9月15日発行 第93号 ■        ===============================================================         小沢の敗北と菅の苦悩                                     ================================================================  約束どおり民主党代表選挙の直後に一度だけ政局について書いておきたい。  代表選後の政局の唯一、最大のポイントは人事だ。これはどの新聞もそう 書いている。  しかし、その後の事を書く新聞はない。それを書いてみる。  もし小沢一郎が選挙前の演説で語っていた事が本当なら、小沢は人事で 菅直人に注文をつけなければならない。  しかも自分の政策が新政権で反映されるように重要なポストを求めなくて はいけない。  それは権力闘争の為に求めるのではない。国民のためにみずから信じる政策 を実現するためである。  もし菅が選挙前に演説で語っていた事が本当なら、菅は人事で小沢の注文を 受け入れなければいけない。小沢なくしての挙党一致はありえない。  それは民主党政権の不安定化を意味する。  しかしもともと民主党は主義主張の違った者たちの寄り合い所帯だ。その 寄せ集めグループが政権交代のために並存していたのだ。  政権を維持するためにはその不安定さのままに曲芸を続けていかなければ ならないのである。  菅の勘違いは小沢を排除して純化しようとしたことだ。しかしそれは民主党 を壊すことになる。民主党ではなくなる。  菅は大勝した今こそ小沢、反小沢を抱え込んだ元の民主党に戻るほかはない。  私が菅であれば小沢の要求を受け入れる。それが自分にとっても民主党に とっても最善であるからだ。  ところが菅にはそれができないだろう。  反小沢の世論を裏切っては支持率が下がる。仙谷グループがそれを許さない。  結果的には、17日にも決まるといわれている人事では、確かに枝野を更迭し、 閣僚の中に小沢派を入れるだろうが、見せかけの挙党一致に終わる。実質的な 小沢排除となる。  その時の小沢の対応は決定的に重要だ。  私が小沢なら、すぐには行動を起こさない。大敗の後に何をやっても批判 されるからだ。  はやる子分を抑えて時を待つ。屈辱に耐える。一番辛いのは自分だ、そう 言って小沢派の結束を保つ。  菅政権は大勝にもかかわらず政策的にすぐに行き詰まるだろう。  経済の事は私にはわからない。しかし外交では間違いなく行き詰まる。  米国の対日圧力が強まる。菅政権は対米従属を加速させる。  中国の対日攻勢が続く。正しい対応ができず国民の不満は高まる。  小沢が行動を起こす時はその時だ。  どのような行動を起こすのか。  ここからが私がこのメルマガで言いたい事だ。私しか書けないことだ。  私が小沢であれば民主党を割って憲法9条新党を立ち上げる。 党を割る大義名分はこれしかない。小沢が政治に再登場する最後のチャンスは これしかない。  憲法9条を掲げて対米外交をする時、それに抗する事は米国にはできない。  憲法9条を掲げて対中外交をする時、それに文句をいう事は中国にはできない。  憲法9条に基づいた政策を掲げる時、労働組合も、護憲政党も、公明党も 反対はできない。  小沢と言う政治家の最後の試金石は自分を変えられるかだ。  小沢と言う政治家が憲法9条を守る信念を持っている政治家かどうか、私は 知らない。おそらくそうではないだろう。  しかし過去の小沢がどうであれ、これからの小沢は変わらなければならない。 そうする事によって生き続ける。それは自分も繰り返し言っていることだ。  米国の不当な要求が高まり、沖縄の悲鳴が沸点に達し、それでも岡田や前原や 北沢が米国のために沖縄の声を押しつぶそうとした時に、党を割って憲法9条 新党を宣言するのだ。  これしかない。  その時は、私は小沢にひれ伏して小沢新党への参加を請う。                                       了                                                         

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