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貿易は常に政治であり、政治であった~幻想の自由貿易主義~
貿易に関しての真実を今回は、語りたい。
貿易は常に政治であった。
国内においても、国外においても政治的問題を常に引き起こすものだった。
まず、貿易は国内では分断を生み、国際的には紛争を巻き起こしてきた。
どういう意味かと言うと、生産者の中には、海外に製品を売りたい企業もいれば、海外に売れるほどの物を生産していない企業もいた。また、外国の競争からの保護を求める企業も発生させてきた。
だから常に政治的調整を必要とした。
また、消費者においても、貿易は消費者の選択肢を増やし、コストを下げることで、人々の生活水準を向上させる面もあるが、外国との競争は雇用を奪う面もあるため、人々の生活水準を低下させるケースもあった。
貿易は常に、あらゆる分野に、急激に勝者と敗者を生み出し、政治的調整を発生させてきた。
これを完全に自由放任にしようとするのが自由貿易主義ではあるのだが、今まで世界に自由貿易は一度も存在しなかった。
現に2022年には、世界の輸入品の49%には関税がかけられている。
ならば、自由貿易こそ素晴らしいという発想が、なぜ世界に定着したか?
全ては第二次世界大戦後に始まった。
第二次世界大戦終結以来、関税は品目ごとに引き下げられてきたが、これは、米国を含む世界中の専門家、官僚、政治家が、1930年代の世界恐慌が第二次世界大戦の主因の一つであると信じていたからである。
また、1940年代に米国務省で主導的な経済計画を立案したハリー・ホーキンスは、こう言った。
『経済的に敵対する国家が政治的に友好な関係を長く保つ可能性は低い』
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