… … …(記事全文5,297文字)インフレを知らない世代がインフレ下での舵取りを間違える
長く続いたデフレのせいで、インフレを知らない世代が増えている。
今、ビジネス界の第一線で活躍しているであろう人の殆どが、インフレを体験していない。なぜなら、インフレが終了したのは、歴史的には1989年のマルタ会談だったからだ。マルタ会談とは、1989年に地中海のマルタで行われたアメリカ合衆国とソビエト連邦両国の首脳会談である。 これをもって、44年間続いた東西冷戦は終結した。もちろん、この後ですぐにデフレが顕著になった訳ではないが、まずマルタ会談は、アメリカ、そしてソ連の軍需産業が、需要が低下する事を覚悟した年となった。日本の場合は、1990年前半のバブル崩壊まではなんとかインフレ期を体験する事はできたが、冷戦が終了したのだから、軍拡競争も終わるわけで、これまで無尽蔵に政府から支援された軍事研究費も軍備購入代金も無くなっていくことを意味するため、基調としては、マルタ会談後に世界はデフレに向かって動き始めた。
冷戦は実際の戦争は無かったものの、軍拡競争という巨大な公共投資を加速させた。生き残りをかけた競争なので、採算性や費用対効果など度外視で、アメリカもソ連も軍拡競争という公共投資を徹底して行い続けた。
これでインフレにならないわけがないのだ。
現在、ロシアからの原油・ガスの輸出がストップしただけで、日本やヨーロッパは物価高に直面しているし、アメリカの場合は、さらに無謀な程、大量の移民受け入れを行い、移民に対し巨額支援を行ったことや、ウクライナへの巨額支援により、日本以上の物価高に直面している。
冷戦時のように、今よりも世界が二極化し、両極間の交易が途絶えた状況下で、熾烈な軍拡競争を行えばインフレになるのは当然だ。
つまり、世界を巻き込む戦争や二極化がインフレをもたらすのだ。
逆に世界が平和になればデフレになる。
よくマネーサプライがデフレかインフレを決めるという主張もあるが、話が逆だ。政府による巨額投資があるから、そして戦争という採算度外視の超巨大公共投資があるからこそマネーサプライが増えるのだ。戦争でもない限り、政府も無謀なほどのに政府支出を増やせない。
ちなみに、これを一番最初に指摘したのは長谷川慶太郎先生だった。
つまり…
ここより先は会員登録が必要です。月・水・金に配信中です。(号外もあり)
そのため、1記事20円~30円程度になります。
なお、今後、値上げの可能性がありますが、値上げした場合も、ご登録者は、登録時の価格が維持されますのでご安心ください。
ご購読を、心よりお待ちしております。よろしくお願いいたします。m(__)m
政治・歴史・文化・経済!高安カミユメールマガジン
高安カミユ(保守系コラムニスト)