… … …(記事全文5,132文字)論文の4つの問題点
ワクチンを妄信する〝ワクチンカルト〟たちが、いかに非科学的でトンデモであるかよく分かる出来事があった。2026年10月9日に「日本経済新聞」が、「ナショナルジオグラフィック」(2026年7月2日付け)から転載した記事「『子宮頸がんの死者ゼロ』は可能、ワクチンが予想以上の実績」を受けて、またXで一斉に雄叫びを上げたのだ。「子宮頸がんワクチンのメリットの大きさがあらためて証明された」などと勝ち誇るだけでなく、「反ワクチンや批判的報道のせいで救える命が失われた」「どう責任を取るんだ」などと、相変わらずワクチン批判者をまるで人殺しであるかのように非難するポストも多かった。
しかし、この記事の元ネタとなった医学誌「ランセット」(The Lancet)の論文を読み、その問題点を把握してから反応したワクチンカルトがどれだけいただろう。彼らは論文を批判的吟味する能力がないために、すぐに信頼性の低いお手盛りの研究に騙されてしまう。ワクチン批判者に〝反ワクチン〟とレッテルを貼り、「非科学的だ。トンデモだ」と散々言いふらしてきた自分たちこそが非科学的でトンデモであることを、彼らは自覚しているだろうか。あるいは、この論文を読んで研究の問題点を把握していながら賞賛したとしたら、より意図的で悪質と言える。
*元ネタの論文:Prof Peter Sasieni, Milena Falcaro; Cervical cancer mortality trends following HPV vaccination in England, 2001–24: an analysis of population-based mortality data, Lancet. 2026 Jul 11;408(10550):162-168. https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(26)00918-9/fulltext
なぜ信頼性の低い論文なのか。この研究の問題点を、少なくとも4つ挙げることができる。
1.非接種者を特定して比較していない。→子宮頸がん死亡数の減少がワクチンの効果かどうか科学的に判断できない。
2.非接種者とでなく過去の死亡率に基づく「予測」と比較して、「100%死亡率が低下した」と書いている。→死亡率低減効果が大きいかのようにと誤認させる。
3.著者らも「若年層の子宮頸がん死0は偶然の可能性が高い」と認めているのに、一転して「HPVワクチンが子宮頸がん死亡率を下げることを裏付けている」と書いている。→「偶然」をあたかも「必然」であるかのように誤認させる。
4.著者らは、MSDの資金によるガーダシル9の主任研究者であり、HPVワクチン接種向上を目的とした介入評価に関する資金提供を受けている。→HPVワクチンの有効性安全性をよく見せたい動機がある。
HPVワクチンを擁護する医師や研究者たちは、自分たちこそ科学的だと自認するならば、このような信頼性の低い論文を鵜呑みにすべきではない。そもそも、HPVワクチンが本当に安全で有効なら、こんな質の低い研究をしなくてもいいはずだ。科学的かつフェアに安全性と有効性を証明するには、属性に偏りのない接種者と非接種者をはじめからマッチングさせて、その長期的な予後(子宮頸がん発症率、死亡率、総死亡率等)を比較する前向き研究をすればいい。接種者が本格的にがん年齢に入る30年後、40年後に成果を出せれば、ワクチンカルトたちが〝反ワクチン〟とレッテルを貼って目の敵にするワクチン批判者たちも納得するだろう。
しかし、本当は自信がないからか、そうした科学的でフェアな研究は一切せず、最初から不均衡な対照群を設定する、バイアスや交絡因子を排除し切れないアンフェアな質の低い観察研究ばかりして、信頼できない「エビデンス」を量産している。そして、その「エビデンス」と称するものを水戸黄門の印籠が如くこれ見よがしに突き付け、世の中の人々を不当に医療誘導する。そうした卑劣なやり方に、我々科学的なワクチン批判者は怒っているのだ。そして、論文も読まないし、統計も理解できないワクチンカルトやメディアの人間は、質の低い研究にすぐにダマされる。こんなアンフェアなことが罷り通る世の中であってはならない。

購読するとすべてのコメントが読み放題!
購読申込はこちら
購読中の方は、こちらからログイン