… … …(記事全文6,506文字)前回#165の「ランセット『子宮頸がんゼロ』は〝粉飾論文〟だ」に引き続き、今回もワクチンカルトが根拠とする論文がいかに信用できないかを、分かりやすく解説したい。取り上げるのは、Xでも話題になった「BMJ(英国医師会雑誌;2026年2月25日)」のスウェーデン研究の論文〝Extended follow-up of invasive cervical cancer risk after quadrivalent HPV vaccination: nationwide, register based study〟(四価HPVワクチン接種導入後の浸潤性子宮頸がんリスクの長期追跡調査:全国登録ベースの研究)だ。
*BMJ 2026; 392 doi: https://doi.org/10.1136/bmj-2025-087326 (Published 25 February 2026)
Cite this as: BMJ 2026;392:e087326 https://www.bmj.com/content/392/bmj-2025-087326
私がHPVワクチンを批判する理由
その前に、HPVワクチンの批判をする私の根本姿勢について、あらためて表明しておきたい。私は頭からHPVワクチンを無効だとも危険だとも決めつけるつもりはない。そうではなく、安全性と有効性について、科学的かつフェアに評価しろと求めているのだ。そのためにも、最初から属性に偏りのない接種群と非接種群を設けて長期にわたり追跡し、三十年後、五十年後の子宮頸がん死亡率および総死亡率を比較すべきだと言ってきた。その結果が出るまでは、HPVワクチンの真価は分からない。つまり「安全」だとも「有効」だとも断言してはいけないはずなのだ。
にもかかわらず、ワクチンカルトたちはバイアス(偏り)や交絡因子(結果に影響を与える特定できていない因子)を拭いきれないアンフェアな研究デザインによって粗製乱造された〝エビデンス〟を印籠の如く見せつけ、あたかも安全性・有効性が確立されたワクチンであるかのように触れ回ってきた。その非科学的で、アンフェアで、卑怯な医療誘導のやり口に、私は怒っているのだ。これはワクチンメーカーのマーケティング戦略に加担する行為であり、本当に人々の役に立つのか科学的かつフェアにチェックせず、製薬会社のプロモーションに同調するのは、医師の職業倫理に悖る行為だ。
医薬品をはじめとする医療行為の真価を科学的かつフェアに検証するという「EBM」(科学的根拠に基づく医療)の本来の意義を棄損し、粗製乱造エビデンスをマーケティングに利用する動きがますます露骨になっている。私がHPVワクチンの安全性と有効性について疑念を持ち、発信しているのは、科学的でフェアな医学医療であってほしいと願ってのことだ。マスコミの記者やジャーナリストたちにも言いたいが、集団訴訟も含めHPVワクチンについて触れるならば、ワクチン推進派の医師や保健当局の情報を鵜呑みにせず、必ず元の論文を読んで批判的吟味をしてから報道してほしい。ワクチンカルトの一方的な情報に騙されないよう、厳しく自戒をするべきだ。
接種群と未接種群の大きすぎる偏り
では、本題に移ろう。この論文がなぜ信頼できないのか。今回も大きな問題点を少なくとも4つ指摘することができる。
1.とんでもなく大きな偏りのある「接種群」と「非接種群」を比べている。→ 非接種群に最初から子宮頸がんを発症しやすい高年齢層が多く含まれている。
2.年齢などを調整したとしているが、大きなバイアス及び交絡因子が残っている。→ 著者ら自身も健康者接種者バイアスや喫煙、性行動など、登録データに記録されていない因子を調整できていないことを認めている。
3. 学校接種世代である低年齢層の効果を大きくうたっているが、その年代の子宮頸がんのデータが極端に少ない。→ 本当に知りたい好発年齢層(35歳以降)の有効性が不明。
4.著者らが所属するスウェーデンのカロリンスカ研究所は、HPVワクチン「ガーダシル」のメーカーであるMSDと研究パートナーシップを結んでいる→ HPVワクチンの有効性を大きき見せたい動機がある。

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