… … …(記事全文5,558文字)被告企業と証人の「利益相反」
2016年7月27日に国と製薬会社2社を被告として始まったHPVワクチンの集団訴訟は、10年以上を経て来年早春に第一審判決が出る予定だ。2015年5月に出版した拙著『新薬の罠 子宮頸がん、認知症…10兆円の闇』(文藝春秋)で、私はHPVワクチン(当時は子宮頸がん予防ワクチン)を推進した医師や安全性を審議する厚労省審議会の委員、さらにはメディアとワクチンメーカーとの「利益相反」を指摘した。接種後の健康被害を訴える少女たちの症状を「機能性身体症状」、つまりは「心因性」と決めつけてきた彼らの多くが、HPVワクチンのメーカー(グラクソ・スミスクラインおよびMSD)から多額の利益供与を受けてきた事実がある。
HPVワクチンの裁判でも、原告一人ひとりに対して「心因性」とする意見書を作成し、法廷で証言した諫早病院疼痛医療センター長の三木健司証人に2300万円以上、東北大学名誉教授の本郷道夫証人に1200万円以上もの破格の金銭が、MSDの親会社から訴訟対策関連費用として支払われていたことが発覚している(井上芳保編著『子宮頸がんワクチンの真実 HPVワクチンと子どもたちへの責任』緑風出版「第四章 訴訟で問われるHPVワクチンの危険性」水口真寿美弁護士)。
*水口真寿美弁護士:HPVワクチン薬害訴訟(全国弁護団共同代表・東京弁護団代表)
一般的に民事裁判の被告側から証人に支払われるのは旅費・宿泊料に加え、法律で決められた8050円以内の日当のみと決められている。多額の謝礼は偽証を招く恐れがあるからだ(https://www.okuda-lawyer.com/shonin/)。被告側からすれば「謝礼ではなく意見書作成の対価」ということなのかもしれないが、決められた日当と比べるとHPVワクチンの被告側証人に支払われた金額がいかに破格であるかが分かる。HPVワクチンの判決にどのような影響を与えるか、予断は許さない。ただ、社会的常識をはるかに逸脱していることは確かだ。
*なお、私の取材によると原告側(被害者側)の弁護団も証人となった医師たちも、旅費交通費以外の報酬は一切受け取っていない。
このように、被告である国とワクチンメーカーは、原告が訴える症状をカネの力を使ってでも「心因性」として押し切ろうとしている。しかし、HPVワクチンの健康被害を訴える女性たちの症状は、心因性では片づけられないほど多様だ。しかも、被害者の多くでその症状は、重なるように共通しているところがある。被告側の証人として出廷した慶應義塾大学病院小児科小児精神保健班の鴇田夏子医師(班長)も反対尋問で、「典型的なHPVワクチン接種後の症例と自分が報告した心因性疾患の症例とは、症状の数や多様性に『歴然の差』があると証言した」という(前掲書第四章156ページ)。
接種後の多様な症状
あらためて、典型的なHPVワクチン接種後の症状がどのようなものなのか確認してみよう。「HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団」のホームページに掲載されている「HPVワクチンが私たちの世界を変えた~原告自身によるイラスト解説(2020/09/25)」から引用する。file:///C:/Users/ttori/Downloads/200924%20hpvvv-illustration.pdf

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