… … …(記事全文6,494文字)安全のための改善提案が「口封じ」されていた
この2026年9月、〝The BMJ〟(The British Medical Journal:英国医師会雑誌、以下BMJ)に衝撃的な記事が載った。〝US officials knew covid vaccine safety system was flawed—but turned aside the FDA doctor who alerted them〟日本語訳すると「米国高官らは新型コロナワクチンの安全性システムに欠陥があるのを知っていた─だが、警告したFDAの医師の訴えを退けた」というタイトルの調査報告だ。(BMJ 2026; 394 doi: https://doi.org/10.1136/bmj-2026-100806 )
BMJと言えば、世界五大医学誌に数えられる権威ある医学ジャーナルだ。そのBMJが、言ってしまえばコロナワクチンの有害事象をめぐるFDA(米食品医薬品局)の〝不正〟を告発したのだから衝撃は大きい。さっそく推進派は「ワクチン有害事象報告システム(VAERS)の安全性シグナル検出アルゴリズムにバグがあっただけの話」などと矮小化しようとしているが、このような言い草を許してはならない。この告発の本丸は、コロナワクチンの有害事象が殺到していたにもかかわらず、FDAが〝意図的〟にVAERSの欠陥を改善せず、米国民および世界中の人々に対して、コロナワクチンに問題がないかのように〝装った〟ことにある。
*世界五大医学誌:The New England Journal of medicine、The Lancet、The BMJ、JAMMA(Journal of the American Medical Association)、Annals of Internal Medicine. 最後を除いて「世界四大医学誌」と呼ばれることもある。インパクトファクター(IF:掲載論文の平均引用回数から導き出される影響力の指標)が高く、これらの医学誌に掲載される論文は医学界で信用されやすい。一方で、近年は巨額の製薬マネーがこれらの医学誌に流れ込んでおり、医薬品に甘い結論の論文が掲載されやすく、ワクチン批判などの論文は査読で落とされるなど政治化が進んでいるとの指摘もある。
調査報告の表題にある通り、FDAの高官たちはVAERSの安全性検出アルゴリズムに欠陥があることを知っていた。しかし、その改善を提案したFDAの医療担当官アナ・サーフマンに対して、「接種キャンペーンの最中に意図しない結果を招く」などとして、データ分析や送信を止めるよう求めていた。調査報告の中見出しにある通り、要は「口封じ(Muzzling the messenger)」をしたのだ。その肝心な点を無視して、この調査報告書を語るべきではない。
安全性シグナル検出アルゴリズムの改善がサーフマンによってプレゼンテーションされたのは2021年2月29日だ。FDAの従来のアルゴリズム(ベイズ方式)のマップでは緑色で表示されていた有害事象が、サーフマンが提案した改善案のマップではほとんど赤信号になっていた。彼女は同年5月7日に、FDA生物統計疫学局医療政策担当副所長のクレイグ・ジンダーマンから口封じされた後も、同年7月までにコロナワクチン接種後に死亡リスク増加のアラートが検出されたと上司に伝え続けていた。また、9月にも関係者にアルゴリズムの改善を促す書簡を送っていた。
*ベイズ方式:「新しいデータや情報が得られるたびに、確率(信憑性)を更新していく」という統計学・確率論の考え方。従来の統計学(頻度主義)が「データそのものの発生頻度」を重視するのに対し、ベイズ方式は「主観的な予測(事前確率)を、データを使って現実的な予測(事後確率)へ修正していく」というアプローチを取るのが特徴。18世紀の数学者トーマス・ベイズの理論に基づく(GoogleAIより)。
しかし、当時のFDA 生物製剤評価研究センター所長でコロナワクチンの規制当局のトップであった腫瘍学者のピーター・マークスは、「反ワクチンのレトリックを助長する恐れがある」と同センターなどの関係者たちに書簡を送っていた。もしサーフマンの口封じがされず、提案通り安全性シグナル検出アルゴリズムが改善されていたら、米国民はじめ世界中の人々が安全性アラートを受け取ることができ、突然死、心筋炎・心膜炎をはじめとする健康被害に遭う人が、もっともっと少なかったはずだ。まさしく、人為的な「薬害」という他ない。調査報告は、このFDAの不誠実を告発しているのだ。
当初から報告されていた心筋炎・心膜炎の多発

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