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鳥集徹(ジャーナリスト)

鳥集徹

#110 【医療政策を採点】どの政党も問題の本質が分かっていない ~集中連載「新・医療亡国論──医療が人を不幸にする」その19~

9月14日、れいわ新選組が岐阜県多治見市で開いた「おしゃべり会」で、同党代表の山本太郎氏が参政党代表の神谷宗幣氏の演説をスクリーンに映し、それにコメントする切り抜き動画がXに流れてきた。

「3000万円の薬使うんだったら、1000万円くらい負担しないとダメですよ。じゃぁ、お金持ちしかできないんですかと言われたら、そうですという話になるんです」

「何千万円もする薬は、簡単に使わせちゃダメなわけ。その人はいいですよ。高い薬を使えて。でも、それを払うのは他の国民ですからね」

「だからやっぱり、自己負担しなきゃ。高い薬使いたかったら。で、お金がないんだったら、病気にならないようにしなきゃ」

 

そう熱く主張する神谷氏に対し、山本氏はこう反論する。

「誰しもが高齢者になるし、誰しもが障害者になる可能性がある。誰しもが難病を抱える局面もある。死ぬしかないの? その時点で死ぬことが決定? だったら国がある意味はないよね」

「病気にもなれない世の中ということになるけれど、国民の6割の生活が苦しいという状況で、どうやって健康維持するような生活するんですか」

「添加物たっぷりとか、そんな安いものを追い求めるっていうような国民が一定大勢いらっしゃるわけでしょ。健康管理なんて無理ですよ」

 

山本氏の意見に私も賛同する。たとえば、血液がん(白血病や悪性リンパ腫など)に適用される「CAR-T療法」という遺伝子治療がある。その製剤にはキムリア、イエスカルタ、ブレヤンジなどがあり、薬価はどれも3000万円を超える。その値段のつけ方が妥当かどうかは議論の余地があるが、CAR-T療法は標準治療がうまくいかなかった患者の希望となり得る治療法だ。血液がん患者は子どもや若者も多いのに、お金がなければ命は諦めろというのか。

 

それに、所得と寿命には強い相関のあることが昔から知られている。とくに昨今、米国だけでなく日本でも所得格差が広がっており、健康寿命に深刻な悪影響を与えることが懸念されている。社会保障料の負担を減らすために無駄な医療を減そう、健康に留意してなるべく病院にかからないようにしようという主張は理解できる。だが、演説を聞く限り神谷氏の医療や健康に関する発言は浅くて、軽率だったと私は思う。

 

ただし、一方で、れいわ新選組の医療政策も「お花畑」と言わざるを得ない。言葉は悪いが、弱者、高齢者、医療従事者に「媚びる」ばかりで、「過剰な医療依存こそが問題」という視点が全くと言っていいほど欠けている。れいわの主張する通りにすれば、国民医療費はますます膨らむ。それで庶民の生活がより苦しくなれば、れいわの掲げる理念とも矛盾するはずだ。両党だけではない。どの党も「医療亡国」の本質を分かっていない。そこで今回、各国政政党の医療政策をあらためて読み込み、要点をまとめてみた。そして私なりに、100点満点で採点した。これを踏まえて、次回以降、私の考える「あるべき医療政策」をまとめみたい。

 

<自民党> 10点(厚労省丸投げ&医師会の言いなり)

https://www.jimin.jp/policy/promise3/

はっきり言って、医療改革に本気で取り組む気があるとは思えない。国民皆保険の堅持、小児・周産期医療、救急医療等の確保、医師偏在対策、地域医療包括ケアシステムの強化などを掲げているが、これまで当たり前に求められてきたことを、ただ記述しているだけ。このやる気のなさは、要するに厚生労働省に丸投げであるとともに、支持基盤である日本医師会の求めるまま、医療政策を行ってきた現れだろう。こんな政党に日本の医療を任せてはならない。

 

… … …(記事全文5,474文字)
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