… … …(記事全文4,434文字)◆紅麹サプリを飲んでさらに76人の死者⁉
6月28日の記者会見で、武見敬三厚労大臣は「小林製薬の報告の遅さが事態の深刻さを招いた」とかなりお怒りでした。しかしテレビのナレーションの説明を聞いても、なぜ武見氏が怒るのか私にはまったく理解できませんでした。小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」というサプリを飲んだ人の中で腎疾患を発症する人が続出したということで大騒ぎになったのは3月末でした。その時点で死者は5人という話でしたが、紅麹サプリと死亡との因果関係は不明でした。それから3カ月が経ちました。
小林製薬にはこの間、死亡に関する相談が170件、寄せられたそうです。しかし「紅麹コレステヘルプ」を摂取していない人が170件中91件いる、というのがまず分かりません。この91人はサプリを飲んでいないのだから、死亡原因はサプリではないわけです。死亡原因がサプリではないのに、なぜ小林製薬に相談するのか。さらに医者によってサプリとの因果関係がないと判断された事例が3件。つまりサプリを飲んだ人で死亡した事例は76件だったわけですが、だからといって死亡原因がサプリとは断定できません。死亡した人の年齢、どんな薬を飲んでいたのか、コロナワクチンを接種していたかどうか、などさまざまなデータが必要です。細かなことを知っているのは家族ですから遺族に訊かなくては正確なことは分かりません。遺族の中には個人情報を明らかにしたがらない人もいるでしょう。調査に時間がかかるのは当然ではないでしょうか。
去る4月9日、厚労省は5人の死亡者の年齢や性別を明らかにしました。それによると5人のうち女性が3人、男性2人。年齢は70代が3人、90代が1人、1人は不明。また3人に既往歴があり、1人目は前立腺癌、2人目は悪性リンパ腫、3人目は高血圧、高脂血症、リウマチ、残り2人は不明。つまり5人のうち3人は基礎疾患があったわけです。前回のメルマガに書きましたが腎機能は加齢によって3~4割、低下するそうです。腎機能が弱って死亡した高齢者がたまたまサプリを飲んでいた、というのが真相ではないでしょうか。