… … …(記事全文4,079文字)◆選挙戦、第一声は八丈島で⁉
6月20日は東京都知事選挙の告示日。三選をめざして出馬する小池都知事は街頭で第一声を上げるのではなく、なぜか都庁に近い選挙事務所の中で出馬宣言をしました。他の候補者たちはそれぞれ新宿で、銀座で、池袋で大観衆を前に第一声を上げたのに。その理由を問われて小池氏は4月28日に行われた衆議院東京15区補欠選挙での「つばさの党」による選挙妨害に触れました。「4月のあの第一声は、あまりにもプレッシャーが大きかった。身の危険を感じました」と、顔をしかめて自分は被害者であることをアピールしました。しかし小池氏は補選の選挙戦12日間のうち、実は9日間、自分が応援する乙武候補の応援に駆けつけていたのです。妨害を怖がっていたとは思えません。
6月22日、小池氏は伊豆諸島の八丈島で最初の街頭演説をしました。都庁の記者クラブ所属の記者を引き連れ、なぜわざわざ人口の少ない島に出かけて行ったのか。その理由をX(旧Twitter)に《私にとって思い入れの強い島しょ部》と書いていました。確かに2016年8月の知事就任直後から、小池氏は計11の島の視察を、約2年かけてしました。2018年8月と11月、19年2月と9月に伊豆諸島の一部を回り、今年5月に大島、三宅島、八丈島を訪れました。つまり八丈島は最近、訪れたばかりなのです。
実は6月18日、元「都民ファーストの会」事務局長で弁護士の小島敏郎氏が、小池氏を公職選挙法違反の疑いで東京地検に告発したのです。記者会見も行い、小池氏の側近だった自分がなぜ訴訟をおこすに至ったのか、詳細な説明を行いました。小島氏の説明は非常に説得力のあるものでした。それ以来、小池氏は公衆の面前に出ることをどうも避けているようです。毎週金曜日、都庁の記者クラブで定例記者会見が行われます。しかし記者クラブの記者たちは〈女帝〉の機嫌を損ねると、次の記者会見で指名してもらえなくなるので、学歴詐称問題には一切、触れようとしません。小池氏が怖れているのは記者クラブに所属しない、フリーの記者たちです。