… … …(記事全文4,274文字)◆記者会見によってさらに深まる疑惑
4月12日、毎週金曜日に開かれる都庁の定例記者会見で小池都知事に対して学歴詐称疑惑の質問が飛びました。月刊『文藝春秋』5月号に「小池都知事『元側近』の爆弾告発『私は学歴詐称疑惑の“隠蔽工作”に手を貸してしまった」が掲載されたからです。この手記を書いたのは元「都民ファーストの会」事務総長、小島敏郎氏です。現在小島氏は「都民ファーストの会」からは離れましたが、小池氏が環境大臣だった時に出会い、2017年の都議会議員選挙で当選した都民ファーストの会の議員に政策面のアドバイスなどをしていた、小池さんの側近中の側近といえる人です。手記は小池さんが二期目の都知事選挙を控えていた2020年6月6日、小島氏が小池さんから電話で呼び出されたところから始まります。『文藝春秋』には小島氏と小池氏とのやり取りが生々しく、詳細に書いてあります。
記者会見を見て不自然だと感じたのは、小池氏が「カイロ大学は(私の卒業を)認めております」とは言うものの「私はカイロ大学を卒業しております」とは言わないことです。小島氏やA氏(小島氏とともに文藝春秋に告発したジャーナリスト)について記者が質問しても、答えをはぐらかしてしまいます。はい、いいえ、で答えられるような簡単な質問にも答えず、一般論に持ち込もうとします。質問と答えが嚙みあいません。記者のほうも勉強不足で追及が甘いので、適当にはぐらかされてしまいます。とはいえ、この記者会見を見て小池氏はシロだ、と確信できた人はおそらくいなかったでしょう。この記者会見での対応のまずさは逆に自分の首を絞める結果になったような気がします。