… … …(記事全文4,516文字)◆川口市の病院前で深夜、乱闘騒ぎ
去年7月4日、埼玉県川口市の路上でクルド系トルコ人の男性が刃物で切りつけられ、重傷で市内の「川口市立医療センター」に搬送されました。ところが事件を聞きつけて約100人の外国人が病院の前に集まり、救急外来の入り口付近から動かず騒いだため、翌日明け方まで救急搬送の受け入れが中止されました。クルド人の女性をめぐって喧嘩になり、乱闘に発展したようです。パトカーや機動隊が出動し、暴行や警察官に対する公務執行妨害の現行犯で男2人が逮捕され、4人が殺人未遂容疑で逮捕されました。しかしいずれも不起訴処分となり、釈放されました。この事件は大きく報じられたので覚えている人もいると思いますが、この事件の背景には日本の入国管理制度の欠陥があります。基本的には国が指針を出して解決すべき問題なのに約20年間、入管制度の欠陥は放置されてきました。
川口市の奥の木信夫市長は「不満いっぱいですよ、国に対しては。仮放免で帰る人は何%いるのか、国はそれさえも発表していない。ほったらかして、全部、地方自治体に任せることは、まったく考えられないですね」と言っています。
クルド人は、イラク、イラン、トルコ、シリアなどに散在する民族で約3千万人いると言われています。日本に来るクルド人はほとんどがトルコ国籍で、トルコのパスポートを持っています。トルコは日本の友好国です。トルコと日本の間には短期滞在ビザ免除の取り決めがあります。来日費用さえ工面できれば3か月はノービザで滞在できます。ビザなしで行けるということで1990年代以降、多くのクルド系トルコ人が来日しました。彼らは「自分たちはトルコ政府に迫害されている」ことを理由にビザが切れると難民申請するケースが多いです。しかし、本当に難民といえるのでしょうか。