… … …(記事全文3,795文字)前々回に中東の液状化について書いた。液状化というのは連鎖的に脆弱な秩序が崩れていくことを意味している。液状化を主導しているのはイスラエルである。
5月の末から2月あまり、ガザ人道支援財団(GHF)というアメリカの援助組織がガザの住民に食料を供給するとして活動しているのだが、食料をもらおうと殺到した住民が毎日のように殺されている。
イスラエル側はその中にハマスの戦闘員がいるから殺害したと説明しているが、絶望的な飢餓の中にある人々が援助物資に群がるところを狙い撃ちにするという途方もなく残虐な殺戮である。7月下旬にはすでに千人近い人びとが犠牲になったとアルジャジーラは伝えている。
この状況に対して国連機関、バチカン、そしてさらにイギリスをはじめとして25の国が「非人道的な殺戮」をやめるようイスラエルを非難した。人道的な殺戮などあり得ないのだがヨーロッパ諸国ジェノサイドの原因がハマスにあるという姿勢をくずしてこなかったからここまで犠牲者が増大してしまったのである。
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