… … …(記事全文6,819文字)大阪市廃止・特別区設置構想(いわゆる大阪都構想)をめぐる議論が活発になってきた。もっとも、「活発」になるよう誘導しているのは大阪維新の会だけであり、自民党や公明党など大阪府・市の他会派はシラけている。いや、シラけるどころではない。過去2度にわたって住民投票で否決されたのに、なぜ3度目なのかと怒髪天の様相ですらある。至極もっともであるし、これは多くの大阪市民が抱く素朴な感情だろう。
維新以外の他会派や大阪市民を怒らせているのは、大阪府の吉村洋文知事と大阪市の横山英幸市長があまりにも強引な態度を見せているからだ。大阪府議会は3月の定例会で提出された法定協議会の議案を継続審議としており、6月に開会する定例会で審議が予定されている。一方、大阪市は15日、法定協の設置条例案を提出した。横山は27日の採決で同条例案を可決させたいつもりだが、あとは維新大阪市議団の態度次第である。ただし、当初は慎重な態度を見せて同市議団も、ここに来て心境が変化しつつある。
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20260515-GYO1T00096/
維新市議団は4月から大阪市内24区でタウンミーティング(TM)を開き、大阪市民の声を広く聞いてから法定協の設置に賛成するかどうかを決めるとしていた。だが、TMで実施したアンケートでは、都構想に「反対」が「賛成」を上回ったという。また同市議団は大阪ダブル選に反発し、吉村が言い出した住民投票の対象をこれまでの大阪市民から大阪府民へ拡大する方針にも反対した。さらに、来春の統一地方選に吉村が出馬することを条件に法定協の設置の可否を決めるとした。このような状況だけを見れば、同市議団は3度目の住民投票を早期に行うことに後ろ向きな印象を受ける。
だが、維新市議団は結局、設置条例案に賛成する方針だ。吉村の強引な姿勢に反発する一部の市議はいるものの誰に籠絡されたのか、賛成する者も少なくなかったからである。また、市議団の煮えきらない態度に怒った一部の維新支持者たちが、議員たちに直接・間接の方法でクレームを入れたとの話もある。
維新市議団が法定協の設置条例案に賛成する方針を決めたのは、17日に投開票が行われた大阪市西区の市議選補選で維新候補が僅差ながら当選したことが大きい。この補選について吉村は4月22日、「都構想が主要な争点になると思う」と述べ、都構想を無理やり関連づけようとした。無理やりとは言え、維新候補が勝利したことで同市議団は法定協の設置に同意せざるを得なかった。

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