… … …(記事全文7,968文字)NHKの大河ドラマ『豊臣兄弟』が、まずまずの評判だそうな。初回の視聴率は13.5%。過去の大河に比べるとやや見劣りするが、前回の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』が12.6%、前々回の『光る君へ』が12.7%だったことを思えば、滑り出しは好調だろう。ただ、その後は10%~11%台で推移しており、NHKの番組スタッフも「なぜ数字が伸びないのか」と気をもんでいると聞く。だが、多くの日本人がテレビよりもSNSに夢中となり、ネット動画を好んで鑑賞している現在、11%台はまだマシなほうだろう。大河として健闘していると言えるのではないのか。
https://www.videor.co.jp/tvrating/past_tvrating/drama/03/nhk-1.html
豊臣秀吉と豊臣秀長の経歴については知られていることもあるが、とくに20代後半までの史実については不明な点が多い。かれらは尾張国中村(現在の名古屋市中村区)に生まれ、出自が農民であるのは確実とされている。ただ、織田家に仕えた経緯は不明で、信長の草履を懐で温めた逸話や墨俣一夜城の伝説などは江戸期以降の軍記物による創作だと言われている。
豊臣兄弟をモチーフにしたドラマはNHKの大河をはじめとして、これまで数多く制作されてきた。ただし、紹介されたエピソードの中には創作か史実かが不明のものが少なくない。とは言うものの、かくいうわたしも『豊臣兄弟』は毎週欠かさずに観ている。史実と違うとわかっていても、テンポの良い構成と飽きの来ない内容に引き寄せられ、わたしは面白いと思っている。
史実と異なる場面も多々あることから、そこに文句をつける視聴者もいるようだ。たとえば、秀長の最初の妻として白石聖が演じる「直(なお)」がいたが、これは完全に番組のオリジナルキャラクターである。秀長の正室は慈雲院と言われており、番組では吉岡里帆が演じる「慶(ちか)」として登場する。ただ、慈雲院の正確な出自や実名もわからないようだ。
また、3日放送の同番組では、自害する浅井長政を妻の市が太刀で介錯する描写があったが、これも史実ではなく、かなり大胆な創作だと言える。とは言え、長政が自刃したのは事実でも、誰が介錯したのか、あるいは介錯はなかったのかは様々な説があって不明であることから、そこに脚本家が創作する余地はあった。大河は歴史の教養番組ではなくエンターテインメントなのだから、わたしはあえて目くじらを立てずに楽しんでいる。
このドラマでわたしが注目しているのは、小栗旬が演じる織田信長だ。これまで多くの役者が信長役を演じたが、小栗の信長は迫力と鬼気迫る威圧感などの点で歴代信長に比べて群を抜いているように感じている。小栗は2022年の『鎌倉殿の13人』でも好演しており、今回の信長も当たり役だったと思っている。もっとも、わたしは演劇評論家ではないので、あくまでも個人的な感想であることはお断りしておく。
さて、今回のメルマガはNHKの大河や織田信長を論じることではない。論じるのは大阪府知事で大阪維新の会代表の吉村洋文についてである。

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