… … …(記事全文4,148文字)旧稿で老母の性癖について述べたが、ここにきてとんでもないことになってしまった。
「超高齢夫婦と高齢息子の同居生活も決して楽なものではない」(2003年2月17日配信)
https://foomii.com/00200/20230217060000105655
「手に負えない老母の性癖を変えるのは不可能 どうする?」(2003年10月27日配信)
https://foomii.com/00200/20231027055000115759
●堪忍袋の緒が切れた
母は感情の起伏が激しいことは何度も触れた。気に入らないことがあるとすぐに言動が粗雑になる。昨年暮れから、今年に入っても精神的に不安定で、2月になりようやく小康状態になったと思った。しかし、またキレてしまった。それも些細なことが原因で。
母は歯が痛いと自分で歯科医に予約を入れた。あいにくその日時は私には都合が付かず、弟も妻の祐木子も用事があり、連れて行くことができない。すると、母は「親が医者へ行きたがっているのに誰も連れて行ってくれない」「冷たい子どもたちだ」と、いつもの「自分が世界で一番かわいそう」シンドロームが発現した。
くどい恨み節が延々と続く。「90過ぎてまでお父さんの面倒見ながら一生懸命にやってきたのにもう生きている意味はない」「殺してくれ」等々。耳が遠くコミュニケーションを取れない上に常に感情的なので、論理的な話し合いはできず、いつもは聞き流している。だが、次第に矛先が私に向いて来た。「みんなにもそれぞれ都合があるんだ。それを確認してから予約した方が良かったのでは」とは言ってみたものの、聞く耳を持つわけがない。「お前は思いやりにかける」「もっと優しくなれないのか」と散々私の悪口を並べる。そこまでは「どの口が言う」と心の中で呟きながら黙って聞いていた。
しかし、ついに母は私が大切にする友だちに関してまで、下品かつ野蛮な言葉で罵った。その人たちの人格否定だ。こればかりは聞き流すことはできず、頭に血が上った。「それは今回の件と関係のない話だ。謝って取り消しなさい」と語気を強めると、さらに「お前と付き合っている人間も駄目なお前と同じだよ」と言ってのけた。もう私は完全に堪忍袋の緒が切れ、「何狂ったこと言っているんだ」と肩の辺りを軽く押した。すると足元のおぼつかない母は、崩れ落ちるように尻もちをついた。母が言うには、押し倒されたのだという。「暴力だ。警察を呼ぶ」と叫んだ。「ああ警察でも救急でもお好きにどうぞ」と私。この日はこれで終わった。
●私の留守中警察沙汰に
蓮池透の正論/曲論
蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)