… … …(記事全文2,414文字)高雄・紅毛港保安堂で突き付けられた「戦後日本の不作為」
雪風の会として今回、台湾・高雄の鳳山紅毛港保安堂を訪れた主目的は、率直に言えば、安倍晋三元総理の銅像をこの目で確かめることでした。私自身、安倍元総理暗殺事件の真相を追う姿勢を崩していません。だからこそ、安倍元総理の銅像を一度はこの目で見ておかなければと常々思っていたのです。
ところが、現地で目にしたのは、銅像の話題をはるかに超える重い現実でした。保安堂は、もともと旧日本海軍の第三十八号哨戒艇(旧艦名・駆逐艦「蓬」)に関わる英霊を祀ってきた場所だと紹介されています。ここには「台湾の親日」の象徴といった軽い言葉では到底すくい取れない、戦後日本が置き去りにしてきた責任の問題がありました。
銅像の向こう側にあった、慰霊の中心
保安堂が広く知られるようになった契機の一つが、安倍元総理の銅像でしょう。実際、台湾側の公的発信でも、安倍昭恵さんがここを訪れて献花したことが紹介されています。しかし、保安堂の中心にあるのは「政治家を讃える」ことではなく、戦没者を弔うという行為の継続です。境内には第三十八号哨戒艇に関する展示や、乗組員に関する情報が並び、英霊を「現在進行形」で扱っていることが分かります。
私たち日本人は、外地で戦死した英霊の魂は靖国神社に「帰っている」と、どこかで思い込んできた面があります。もちろん信仰の次元は尊重されるべきです。ただ、保安堂で突き付けられるのは、信仰とは別の次元で「帰れない英霊がいる」という事実感です。
1990年の逸話が示すもの
保安堂には、1990年に

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