… … …(記事全文1,800文字)
ここ数日、ようやく春眠暁を覚えずの状態になってきた。
冬は不眠に苦しむ私だが、この爆睡の時期が訪れることで、ああ、やっと春になったと実感する。
同時に思い出すのは、我々哺乳類は元々〝冬眠〟する性質を持っていたが、一部を除きその性質を失った。
しかし、その名残りだけはあるということである。
えっ、冬眠の名残りがあるのに、なんで春になってから爆睡するの?
冬の間に散々眠っていたんじゃなかったの?と思われるだろう。
実は〝冬眠〟する動物は冬の間、眠っているのではない。
眠っているように見えるだけであり、実際には体温を著しく下げ、ほとんど生命活動をやめているだけなのだ。
体が動かないのもそのためだ。
よって〝冬眠〟する動物は春になると、冬場の睡眠不足を取り戻すために爆睡するのである。
我々だって誰しも冬の間は大なり小なり睡眠がうまくいかない。
人によっては「冬季うつ」になってしまう。
しかし春になれば、睡眠不足を取り戻すかのように爆睡するのである。
とすれば、いったい、冬眠する動物は何のために、冬眠、ではなくて生命活動を著しく不活発にしてしまうのだろう。
たとえばシマリスは37°Cくらいの体温を6~ 7°Cにまで下げてしまう。
これほどまでの低体温に対しては、普通なら脳や心臓が致命的なダメージを受けるはずだが、冬眠する動物は、それらのダメージを受けないようにまずは耐性を身に着けている。
では、そうまでして低体温にするのは、なぜなのだろう。
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