Foomii(フーミー)

動物にタブーはない! 動物行動学から語る男と女

竹内久美子(動物行動学研究家 エッセイスト)

竹内久美子

ついに爆睡の季節が訪れたが……


ここ数日、ようやく春眠暁を覚えずの状態になってきた。

冬は不眠に苦しむ私だが、この爆睡の時期が訪れることで、ああ、やっと春になったと実感する。

 

同時に思い出すのは、我々哺乳類は元々〝冬眠〟する性質を持っていたが、一部を除きその性質を失った。

しかし、その名残りだけはあるということである。

 

 

えっ、冬眠の名残りがあるのに、なんで春になってから爆睡するの?

冬の間に散々眠っていたんじゃなかったの?と思われるだろう。

 

実は〝冬眠〟する動物は冬の間、眠っているのではない。

眠っているように見えるだけであり、実際には体温を著しく下げ、ほとんど生命活動をやめているだけなのだ。

体が動かないのもそのためだ。

よって〝冬眠〟する動物は春になると、冬場の睡眠不足を取り戻すために爆睡するのである。

 

我々だって誰しも冬の間は大なり小なり睡眠がうまくいかない。

人によっては「冬季うつ」になってしまう。

しかし春になれば、睡眠不足を取り戻すかのように爆睡するのである。

 

 

とすれば、いったい、冬眠する動物は何のために、冬眠、ではなくて生命活動を著しく不活発にしてしまうのだろう。

 

たとえばシマリスは37°Cくらいの体温を6~ 7°Cにまで下げてしまう。

これほどまでの低体温に対しては、普通なら脳や心臓が致命的なダメージを受けるはずだが、冬眠する動物は、それらのダメージを受けないようにまずは耐性を身に着けている。

 

では、そうまでして低体温にするのは、なぜなのだろう。

 

… … …(記事全文1,800文字)
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