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話題にすべきかどうか、かなり迷った。
しかし我が国が、皇室がその評判を自ら落とす事態となっていることを黙って見ているわけにはいかない。
それは先日、ブラジルのルラ大統領夫妻を国賓として招いて催された宮中晩餐会である。
宮中晩餐会は2019年のトランプ大統領夫妻以来、6年ぶりのことだ。
開催まであと1週間というとき、驚いたことにドレスコードは「平服」と発表された。
宮中晩餐会といえば、男性はタキシードや燕尾服、女性はロングドレスといった、最も格式の高いドレスコードとなるはずが、平服。
それはブラジル側からの要請であるという。
ルラ大統領は労働者階級出身で左派。
そのためであるらしいのだが、ルラ大統領がイギリスを含む、いくつかの王室に晩餐会に招かれたときの様子を調べてみると、大統領は確かに平服(普通のスーツ)である。
だが、王族は晩餐会の服装なのである(ティアラや勲章もつけている)。
おそらくルラ大統領が、自分は労働者階級出身であることに誇りを持っているので平服にするが、王族方はいつも通り正装でお願いしますとでもおっしゃったのではないだろうか。
ところが日本では、皇族方までも平服だった。
平服はブラジル側の要請であると発表されたが、招待された側がドレスコードを要請し、それに招待した側が従うとはとても考えられない。
ルラ大統領はいつも通り、自分は平服だが、皆さんは正装でと言ったのに、日本側が勘違いして全員平服にしてしまったか、あるいは正装が苦手な方がルラ大統領が平服であることに便乗してしまったのか……。
どんな事情があったのかはわからないが、結果として驚くほど華やかさに欠ける晩餐会になってしまった。
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