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斎藤元彦兵庫県知事のパワハラ、贈答品おねだりの問題が世間を騒がせている。
そもそもなぜこんなにも問題になるに至ったのだろうかと調べてみた。
事の発端は今年3月12日に西播磨県民局長(X氏と呼ぶことにする)が、7項目の疑惑を告発する文書を報道機関や県議などに匿名で配布したことにある。
その7項目には、2021年に斎藤氏が初当選した知事選における違法行為(幹部による事前運動)、次の選挙を見越しての投票依頼行脚、阪神タイガースとオリックスバファローズのリーグ優勝を記念したパレードの必要経費をめぐるキックバック強要などが含まれているが、パワハラと贈答品のおねだり疑惑が特に問題視され、メディアなどで大きく取り上げられている。
この告発に対し、斎藤知事は真っ向から否定し、3月25日にはあたりをつけた、X氏を含む3人の県職員をガサ入れ。
パソコンなどを押収した。
X氏に対してはのべ8時間にわたり聴取し、告発者であると特定した。
3月27日には、知事は「事実無根の内容が多々含まれている。名誉棄損や信用失墜、綱紀粛正、看過できない。業務時間中にうそ八百含めて、文書を作って流す行為は公務員として失格です」と述べた。
一方X氏は「私がいかにも事実無根の誹謗中傷をまき散らしたかのように世間で思われ続け、不公平です。ずさんな会見で人間が一人、社会的に抹殺されようとしています。そのことを十分に理解すべきです」とコメントした。
実はこのようにX氏が身を挺して告発した内容を事実無根、うそ八百と断じた行為が、内部告発者などを守る「公益通報者保護法」に違反するのではないかと、その後設置された百条委員会で指摘されていて、まさに今ココの状態なのである。
そして4月20日には、阪神とオリックスの優勝パレードの担当課長が自死。
5月7日には、県が内部調査により、告発文は事実無根であると判断。
X氏を停職3か月の懲戒処分とした。
ところが、告発文に書かれている、高級コーヒーメーカーを県の幹部が企業から受け取っていたこと。
兵庫県立考古博物館を知事らが訪れたとき、車止めの標識があったため、その前で車は止まった。
結果としてエントランスまで20メートル歩かされた知事は激高。
以後、口を聞かなくなったこと、などが本当であることが判明した。
そこで真実の追求のため、百条委員会が設置されることとなった。
百条委員会とは、地方自治法の第百条に基づき、「不祥事や疑惑があったときに開かれる特別委員会」のことで、偽証や質問に答えないことなどが許されない。
今回は令和6年3月12日付、元県民局長の文書に記述される7項目の内容の真偽について、だ。
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