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私がエッセイや動画などでよく話題にするのは、ツバメのメスが亭主の尾羽の長さによって浮気の頻度を変えるということだ。
ツバメは一夫一妻の婚姻形態をとっている。
オスの魅力は尾羽の長さにあり、長いオスほどモテる。
メスはオスよりも先に越冬地から繁殖地に戻ってきて、オスたちを待ち構えており、尾羽の長いオスほど早々に相手が見つかる。
尾羽が長いオスはその日のうちか数日後に、尾羽の中くらいのオスは一週間くらいかけて、尾羽の短いオスは二週間くらいかけてようやく相手が見つかる。
このように一夫一妻であると、メスは必ずしも尾羽が長い、魅力的なオスとつがえるわけではない。
たいていは妥協している。
ではその不満をどうやって解消するかと言うと、浮気である。
メスのもとにはいろいろな尾羽の長さのオスが浮気のためにやってくる。
しかしメスが浮気に応じるのは尾羽が長いオスのみ。
しかも亭主の尾羽の長さによって行動にはっきりと違いがある。
尾羽が長いオスを亭主にしているメスは、どんなオスがやってきても浮気をしない。
尾羽が長くても、だ。
尾羽の長さが普通のオスを亭主にしているメスは、尾羽が長いオスがやってきたときの数回に一回、浮気する。
そして尾羽の短いオスを亭主にしているメスは、尾羽が長いオスがやってきたなら、必ず、逃さず浮気するのである。
なぜ尾羽が長いオスが好まれるかというと、本人の免疫力の高さが尾羽の長さとして現れており、それはとても信頼できる情報だからである。
この話をしてから人間の話に進むとよく突っ込まれるのは、それはあくまでツバメの話。
ツバメと人間をいっしょにするなということだ。
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