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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

高市総理誕生へ!この秋の臨時国会の最大の見所は、維新が求める国会改革(国会議員の定員削減)と自民が求める経済対策(178万円引き上げ&大型補正予算)の実現可否である。

明日の首班指名選挙を目前に控え、自民党と日本維新の会が「歴史的」とも言い得る「自

由民主党・日本維新の会連立政権合意」を締結しました。

 

この合意は、両党の政策についての基本的方針について合意すると共に、それを「実現するため」に内閣総理大臣指名選挙において、自民党総裁の「高市早苗」の両党党員全員が氏名を記述すると同意に、「連立政権を樹立する」ことを宣言するものです。

 

この合意文書の全文は、以下となっています。

 

 

『自由民主党及び日本維新の会は、わが国が内外ともにかつてなく厳しい状況にある中、国家観を共有し、立場を乗り越えて安定した政権を作り上げ、国難を突破し、日本再起を図ることが何よりも重要であるという判断に立ち、日本の底力を信じ、全面的に協力し合うことを決断した。

戦後最も厳しく複雑な国際安全保障環境を乗り越えるためには、日本列島を強く豊かにし、誇りある自立する国家としての歩みを進める内政および外政政策を推進せねばならない。

わが国は、自立する国家として、日米同盟を基軸に極東の戦略的安定を支え、世界の安全保障に貢献する。

わが国には、そのような覚悟に加え、安全保障環境の変化に即応し、「国民をどう守るか」「わが国の平和と独立をどう守るか」というリアリズムに立った視座が不可欠である。

両党は、このリアリズムに基づく国際政治観および安全保障観を共有する。

また、両党は、国民の生活が経済成長によって向上されることの認識を共有する。

そのために、責任ある積極財政に基づく効果的な官民の投資拡大を進めつつ、肥大化する非効率な政府の在り方の見直しを通じた歳出改革を徹底することによって、社会の課題を解決することを目指す。

戦後八十年にわたり国のかたちを作り上げる過程で積み残してきた宿題を解決すると同時に、冷戦後の三十年の厳しい経済状況を乗り越え、国民生活を向上させる過程で積み残してきた宿題を解決するための改革が急務である。

そのための方策として、国民に寄り添った経済対策等の速やかな実現に加え、憲法改正や安全保障改革、社会保障改革、統治機構改革を含む中長期にわたる日本社会の発展の基盤となる構造改革の推進について本合意に至った。

これらの政策の実現には、できるだけ幅広い賛同を得ることが重要であり、他党とも真摯な議論を重ねていくことは言うまでもないが、本合意書の内容を精緻化するため、両党による実務者協議体を設置し、確実な履行を図ることとする。

また、本合意書の内容を実現するため、令和七年臨時国会における内閣総理大臣指名選挙の連携に基づく協力を誓い、連立政権を樹立する。』

 

この合意の前半部分は状況についての共通認識が記載されているわけですが、具体的に両者で何を合意したのかという点については、以下の一点ということになります。

 

「国民に寄り添った経済対策等の速やかな実現に加え、憲法改正や安全保障改革、社会保障改革、統治機構改革を含む中長期にわたる日本社会の発展の基盤となる構造改革の推進」

 

そして、これを推進するために自民と維新の両党で、「実務者協議体を設置」するということも明記されています。

 

なお、以上の合意文書には、各項目毎の詳細な合意事項が記載されていますが、それを見ると、 

「ガソリン税暫定税率の廃止」

「電気気ガス料金補助をはじめとする物価対策」

は明確に記載されています。合意文書では「臨時国会で成立させる」ときっぱりと書かれています

 

それ以外の諸項目は、いろいろと書かれていますがいずれも「協議体を設置する」「検討を介すする」という表現になっており、必ずしも明日からの国会で決着するというものではないと合意されているようです。

 

しかしもう一つだけ「臨時国会での成立」について言及されいてりる項目があります。それが、

「1割を目標に衆議院議員定数する」

という国会改革です。


しかし、この定員削減についての記述は、少々微妙な表現となっています。すなわち、

「議員立案を提出し成立を目指す」

と記載されているのです。

 

つまり、ガソリン税や電気・ガス料金は「臨時国会で成立する」ときっぱりと書かれている一方で、この国会議員削減は「臨時国会で成立を目指す」とはきっぱりとは書かれていないのです。

 

すなわちこれは、ガソリン税等は「成立する」対象ですが、国会議員削減は「目指す」対象として位置づけられている、と解釈可能な文言となっているのです。

 

この微妙な文言の相違が今後、どの様な影響をもたらすのかが、明日からの臨時国会の最大のポイントとなるでしょう。言うまでも無く、公明党をはじめとした小規模政党は、定員削減による党勢縮小率が極めて大きく、この議員削減提案に徹底的に反対しています。これがガソリン税減税等と根本的に異なるところですので、国会議員定員削減が国会で「すんなりと通る」とは限らないわけです。

 

そしてもう一つの国会のみどころが、この自民維新の合意文書には書かれていない

 

「178万円への年収の壁引き上げ」

 

です。これについては維新は特に否定的な姿勢を見せてはいませんが、積極的な姿勢も見せてはいません。これに前向きなのは勿論…

… … …(記事全文3,403文字)
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